パン屋さんに限らず、飲食店全般的に注目すべき新店のオープンが続いています。
いつまでが「新店」なのか、境目は難しいですが、一定の時期を過ぎると大衆の目は「新しい」というだけでは離れていきます。
逆に、目新しさではなく、時が経つにつれていい味を出してくれるお店もあるもの…それはパン屋さんにも然り。お客さんと共に成長するその姿はまさに「いぶし銀」、時が経つほどに輝きを増すお店もあるのです。
そんなお店には、通いたくなります。パン屋巡りをライフワークとする私にとっては注目すべき存在です。
命の糧を得に行く、という差し迫った事情がありつつも、女子的には色々なお店を訪ねたいという気持ちも当然あります。反面、気に入ったらとことん通い詰めて全種類制覇してみたくなるタイプでもあり、そこがくすぐられるのが、通いたくなるお店です。
ここは全部食べてみたいと思わされた都内のマイ名店、特に2016年の1年間を振り返って、選んでみました。
1.【ボネダンヌ】焼き菓子も美味しい、商店街の名店
1店目は「Boulangerie Patisserie BONNET D’ANE(ボネダンヌ)」、オープンは2013年8月19日です。
三宿の交差点から、徒歩10分程度。駅から近いとは言い難い立地ですが、小さな商店街の中にあり、近隣の住人がお財布ひとつで「毎日のパン」を買いに来るような、地域に溶け込んだお店です。
カンパーニュやバゲットなどの食事パンから繊細な折込のデニッシュ系まで、少量多種を揃えます。
焼き菓子にも注力しており、特にマドレーヌは夕方を待たずに売り切れる人気商品。作り置きはせず、毎日焼き上げています。
焼きたてのバゲットに、オーダーを受けてから具を挟むカスクルートも昼過ぎには完売の看板メニューです。シンプルなハムとチーズの組み合わせが、こんなにもバゲットと合うのだ、バゲットの魅力を倍増させるのだと実感できる美味しさです。
紹介しているお店はこちら!
2.【OVAL】昼までが勝負、週末パン食人には少しハードルの高い店
2軒目は「OVAL」、オープンは2014年7月19日。
テントに描かれた「BAKERY」の文字がなければ見逃してしまうようなシンプルな外観。閉店してしまうと余計に見つけにくく、しかも週末は午前中で売切仕舞も多いので、なかなか見つけにくいかもしれないお店です。
腰高の平台には、常に窯から出たてのパンが並びます。
シンプルな食事系から、個性的な組み合わせのパンまで、次は何が出てくるのかとワクワクしながら一日中でもそこに居られそうです。訪問時も会計を済ませてから外でガラスにへばりついて暫く店内から目が離せませんでした(笑)
一期一会、ギャンブル、と表現せざるを得ないくらい、パンが窯から出て台に並ぶ途端に、トレイに乗り、袋に入っていきました。何に出会えるかは運次第…週末だから、ではなく、平日もそんな感じとのことでした。下町に根付いているだけあって、常連さんも多いようです。
出会い頭を楽しめる方、週末の早起きが苦でない方は、是非トライしてみて下さい。
営業時間:9:00~売切次第終了
定休日:毎週日曜、月曜、火曜
紹介しているお店はこちら!
- OVAL
- サンドイッチ・パン屋 地下鉄大江戸線 清澄白河駅 徒歩6分
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この2店にまた行きたくなる、理由はコレ!
「もう一度行ってみたい」、そう思う大きな理由であり、両方のお店に共通していた私の掴まれポイントはこの3点です。
1 シンプルなパンが美味しかった
2 手に入らなかったパンがあった
3 ひっきりなしにお客さんが来ていた
バゲットやカンパーニュや食パンなどのいわゆる食事系のパンを必ず買いますが、それが美味しいところは再訪したいと思わされます。写真は載せておりませんが、「ボネダンヌ」もバゲットはシェフおススメの一品です。
目の前で最後の1つが売れてしまったものがあったりすると、どんな味だったのだろうと気になります。「オーバル」では、これから続々と焼き上がったであろうパン達を待てなかったのも悔やまれます。出来ればあと30分は、ウィンドウから離れたくなかったです。営業妨害と追い返されたかもしれませんが(笑)
でも、それ以上に、様々な年代のお客さんが途切れずに次々訪れているようなお店だと「何が欲しくて来ているんだろう」「どれを買っていくのだろう」と、気になります。他の方のトレイを観察しながら長居してしまったこともあったり、なかったり…いえ、ありました。
どちらも遠くからではなく、本来のパン屋さんの商圏である半径2キロの中からお客さんが集まるお店です。雑誌やテレビで紹介されて、行列を作っているといった華やかさのあるお店とは言い難いですが、近所にあったら嬉しいであろうことは疑う余地もありません。
記憶に残る2店、ある日むらむらっと食べたくなるパンに出会えます。