昨年、『大阪の代表する人気ラーメン厳選7選』(https://mecicolle.gnavi.co.jp/report/detail/7276/) を掲載させて頂いた時にも述べていますが、大阪府は他県と比較しても府民の人口数に対してのラーメン消費量がかなり低い県で、新規出店数も多いのですが閉店していくお店も非常に多い。そんな競争が激しく、実力派がひしめく大阪のラーメン界で今年出店された2016年度の新店を色々食べ歩いた中で、最も印象に残る美味しいラーメン店を絞って、5店舗ご紹介致します。
1.大阪の各銘店で腕を磨いた、実力を持つ気鋭店【麺や 一想】
過去に大阪の銘店である「金久右衛門 本店」や「麺屋 彩々」等で腕を磨いた松田店主が、今年の5月に満を持してのオープンをようやく果たした。既に某雑誌においても新店部門で準GPを獲得している実力を持つ注目店です。場所は近鉄大阪線 久宝寺口駅から降りてすぐ。外観はモダンな造りで、白い壁面に暖かい雰囲気の木目調を基調とした店内は清潔感もあり、ゆったりと出来る雰囲気です。
現在の基本メニューは、鶏白湯の醤油と塩の麺類にご飯ものとなります。
オススメの鶏白湯 塩は、今風のドロドロや泡泡系の鶏白湯では無く、粘度はサラリとしていながらも鶏の旨味がしっかりとしており、気が付けば飲み干してしまっている位に飲みやすいスープです。これは、所謂、旨味の相乗効果というもので、鶏出汁を軸に昆布や椎茸を使う事で、旨味を最大限に引き上げる方法。なので、サラサラしていても旨味に厚みがあるのです。
現在、使用している麺は「ミネヤ食品」謹製の中加水の中太ストレートで、ツルツルと滑らかな啜り心地の良さとモチッとした弾力のある歯応えでスープとの親和性が非常に良いです。
具材は、低温調理のチャーシュー・木耳・極太メンマ・刻み葱です。旨味の詰まったしっとり柔らかいチャーシュー、鶏白湯に合うのかなと思いきや意外に合っており良い箸休めになるコリコリ食感の木耳、修業先を彷彿させる極太メンマ、全てに隙無しの新店とは思えない程の完成度です。
いずれは、自家製麺にシフトする予定もあり、創作限定等も打ち出す様で、これからのご活躍にも注目したいお店のひとつです。
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2.見た目も華やかなハイクオリティーな塩ラーメン【This is 中川 これはなかがわです。】
元々は焼き鳥屋さんが提供していたラーメンが常連さんに人気を得た事から始めた「真骨鳥ラーメン あざす」が2013年8月末で突如の閉店。その後、独立された店主が、鶏白湯を提供する「縁乃助商店」@淡路を新規出店をなされたのが同年の2013年10月の事。こちらのお店は、その人気ラーメン店「縁乃助商店」の店主が直々に厨房で立たれ、ワンオペで営んでいらっしゃる、今や行列必至のセカンドブランド店として今年の4月1日にオープン。10月より昼営業のみに営業時間を変更され、それに伴いメニューも一部変更。
『1983 NaKaGaWa 塩』の、キラキラと黄金色に澄んだスープは、丸鶏に牛スジを軸に昆布等を合わせた出汁で、厚みある鶏の旨味と牛由来の甘味やコクが塩カドを立たせない丸みを持たせたもので、旨味に深みがありながらもあっさりとした秀逸なスープです。
麺肌が艶やかな中加水の自家製平打ちストレート麺は、小麦の風味が非常に豊かでモチモチとしたコシのある歯応えとツルツルとした喉越しの良さで、スープの旨味をしっかりと運んでくれます。
華やかな彩りの具材は、鶏叉焼・牛スジ肉・ペコロス・煮卵半個・青葱・カラフルなあられとなります。気になるのは、一般的に提供するラーメンにはないメイラード反応のこの泡。ベースのスープの旨味を引き立てるものですが、中身は企業秘密との事ですが、気になりますね。
『チャーシュー麺 醤油』ですが、手間暇掛けただろう、数量限定で皮がカリカリ香ばしく肉は食べ易く隠し包丁の入った肉厚のレザークリスピーチャーシューが一言、美味い!芳醇な香り豊かな鶏清湯醤油は、甘味が立つが嫌味の無い甘さが好印象。塩の時は透明、醤油の時は紫色の泡となります。この紫は仄かにアルコールっぽい香りがしました。
開店告知をせずにシラッと始めたそうですが、今や口コミやtwitter等の情報から開店してから僅かで一気に行列が出来る人気店になった訳ですが、見た目も華やかなハイセンスハイクオリティーの塩ラーメンです。
ブログ:http://kazuakimoichi.shiga-saku.net/e1307268.html
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店名:This is 中川 これはなかがわです。
住所:大阪府大阪市東淀川区菅原6-24-12
公式Twitter:https://twitter.com/akinaka0809
3.『麺を美味しく食べる為のラーメン』を謳う銘店のDNAを受け継いだ新店【ラーメン 哲史】
麺野郎で店長を務めた方が8月2日に独立開業したお店です。少し年期の入った喫茶店の様なお店の居抜きに出店されており、カウンターにはお寿司屋さんにある様なガラスケースが設置されているのですが、幾つかの新鮮な寿司ネタが入っており、その日によって異なる内容をお任せで提供される「どんぶり」が戴けます。
オススメの肉醤油ワンタンは、鶏ガラ昆布を軸とした淡い色合いの醤油清湯で、シンプルながらも旨味に奥行きがあり、飲み干してしまう美味さです。
修行元の『麺野郎』@豊中の製麺機で自ら打つ麺は、ややウェーブ掛かった加水高めの平打ち麺で、艶やかでツルツルとした喉越しとモチモチとしたコシの秀逸な麺です。
具材は、薄切りのしっとり感を楽しめるチャーシューと肉々しさを楽しめるぶ厚いチャーシューを贅沢に敷き詰めたもの。それにトゥルントゥルンとした皮と肉の旨味が詰まった餡のワンタン、 メンマ、ぷりぷりとした食感である太刀魚を使った自家製さつま揚げに刻み葱です。
銘店のDNAを感じさせつつも店主の個性を出した一杯はまさに、「麺を美味しく食べる為のラーメン」を引き継いでるもの、そのものです。
ブログ:http://kazuakimoichi.shiga-saku.net/e1307270.html
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店名:ラーメン哲史
住所:大阪府豊中市小曽根4-9-2
電話番号: 06-6151-9956
4.豚骨の『ぼっこ志』、鶏白湯の『ばっこ志』に続く牛骨ら~めん専門店【ぶっこ志】
2007年に十三で豚骨専門店としてスタートした『ばっこ志』。7年の時を経て鶏白湯専門のネクストブランドとしてオープンしたのが『ぼっこ志』。豚骨に鶏と来てたら次は牛骨という事で、吉田店主が長年の構想を描いていた、念願の牛骨を使ったラーメン店が今年7月11日にオープン。場所は地下鉄 北浜駅から徒歩で5分とアクセスもいいです。
食券制でメニューは、牛白湯・焦がし牛白湯・煮干し牛白湯・Spicy牛白湯・牛塩清湯・貝だし牛塩清湯・つけ麺・和え麺にトッピングメニュー。その他には白ご飯・高菜ご飯・ローストビーフご飯・本店の炙り焼豚丼・ビールとなります。
オススメの牛白湯は、牛骨から抽出された濃厚な旨味や甘味が口いっぱいに広がる真っ白なスープで、タレもカドが立たず良い塩梅でとてもクリーミーというかミルキーな口当たりです。乳製品は入ってないが、この系列の特色は豚も鶏も、今回の牛骨も全て真っ白のスープ。一般的には具材を丸々強火で焚き、乳化させているのですが、此方の各店舗共通して焚き出す時は、乳化前で具材を取り出してしまう事で白い出汁が出来るそうです。これだけですとコクが弱くなるので、更に骨や肉を追い足したりする事で充分な旨味を保っているのです。
麺は、しなやかなコシとハリのある加水低めの平打ち中太ストレート麺です。喉越しも良くスープにしっかりと寄り添います。
具材は、胡椒風味の牛バラ肉とバジル風味の牛肩ロース肉・ヤングコーン・豆苗・笹切り葱と、綺麗なビジュアルです。
薄切りでレア感のある柔らかいローストビーフが乗ったローストビーフご飯が兎に角、美味い。ランチタイムは、これが250円で戴けるのがとても嬉しいですね。
鳥取県の牛骨ラーメンや山口県の下松牛骨等、今まで色々な牛骨ラーメンを食べて来ましたが、今回戴いた牛骨ラーメンは、まさにここだけの唯一無二な一杯です。
ブログ:http://kazuakimoichi.shiga-saku.net/e1277534.html
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店名:牛骨ら~めん ぶっこ志 北浜店
住所:大阪府大阪市中央区道修町1-5-12
5.力強いumamiのある無化調スープに拘りの自家製麺を使った新店【極汁美麺 umami】
大阪は東大阪市の石切で居酒屋さんを間借りしていた「麺屋 一」が3年の時を得て、移転&屋号を改め復活オープンしたのが、今年の7月27日のこと。同店店主は過去に「たんたん亭」@浜田山で経験を積んでおられた生粋の元ラーメンフリークさんです。
移転先の店舗はレストランの居抜きで、凄く温かみのある雰囲気でラーメン屋さんとは思えない様なお洒落な空間です。
オススメの醤油ら~めんは、30kgのスープを摂るのに、36kgもの鶏ガラや丸鶏を使用した屋号に負けないumamiのあるスープで、分厚い鶏の旨味に、キレのある醤油のカエシと鶏油を効かせた、無化調ながらもその線の細さを全く感じさせない輪郭のくっきりとしたスープです。
エッジィで麺線の綺麗な低加水のストレート細麺は、しなやかなコシと歯切れの良さが兼ね備えた小麦の風味豊かな北海道産の小麦を100%を使用した、拘りある自家製麺です。
具材は、低温調理の肩ロース肉のチャーシュー・木耳・菊菜・刻み葱です。しっとりと柔らかく肉質の良いチャーシューは肉の旨味が詰まったもので、コリコリと歯応えのある木耳に、スープに浸してから戴く菊菜が程良い苦味で良い箸休めになります。
無化調ながらも分厚い旨味のある鶏清湯。このスープにこの麺ありきなジャストの自家製麺。ひとつひとつに丁寧な仕事を施された具材。大阪の新店でこれだけハイレベルな一杯に出会え、気持ちが躍動しました。
ブログ:http://kazuakimoichi.shiga-saku.net/e1307274.html
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店名:極汁美麺 umami
住所:大阪府東大阪市菱屋西3-1-1