足し算のカレーとは、巧く言ったものである。
カレーには様々な具材、ソース、調味料など入れれば入れるほど、足せば足すほど美味しくなるといった事であり、実際カレーはどんなモノとも巧く調和し独特な「美味しい」を作り出して楽しませてくれるのであります。
このカレーに「うどん」と「名古屋」を足して、更にあれやこれやと作りこまれてきた名古屋めし「カレーうどん」。名古屋にいると普通に食べてきた「カレーうどん」でありますが、これが他の地域に無い独特な世界を作り出していると知ったのはつい最近の事。
通常は和風出汁のお汁にカレーのスパイスと水溶き片栗粉で仕上げられると聞くのですが、名古屋でそういう系統は少数派であるのだ。
複数のスパイスと小麦粉を合わせて炒って混ぜ合わせ、ここに動物系スープを足す等して、うどん屋の生命線である出汁と合わせて作りあげるのが名古屋流。一概に全てのお店がそうだとは言わないしその細部の製作過程までは分からないのだが、こうしてうどん職人が作り上げた名古屋の「カレーうどん」。
数ある美味しい「カレーうどん」のお店の中から私が自信を持ってお勧めできる、大好きなお店を今回と次回の2回に分けて紹介します。
1.名古屋でカレーうどんと言えばこちら!若鯱家清明山店@千種区
名古屋でカレーうどんと言えば「若鯱家」である。
いまやチェーン店として東海3県を始め他方面にまで支店を持つ人気なお店でありますが、こちらはチェーン展開している会社とは関係の無い、その当時本店で修行をされ暖簾分けを許された本筋系統のカレーうどんを頂けるお店なのであります。
私はカレーうどんを食べる時は「麺冷たいので」と注文することが殆どであります。それは初めてこれ系のカレーうどんを食べた若鯱家本店(現鯱乃家)にて他のお客さんが注文していたモノを真似たものであります。
通常うどんは茹で上がる直前に流水で麺表面のぬめりを洗い流し、冷たく締めて、再度釜で加熱してからお汁と合わせるのでありますが、この「再度釜で加熱する」のをやらずにお汁と合わせるというのが、「麺冷たいので」という事になるのであります。よって冷たいうどん特有のむっちむちの弾力あるうどんのまま、アッツ熱のカレー汁が絡んで、食べやすい温度になったところを啜るのであります。更にこちらのお店の特徴としまして、うどんが極太のむっちんむっちん!これが美味いのです。
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- 若鯱家 清明山店
- うどん 地下鉄名城線 砂田橋駅 1番口 徒歩14分
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2.私をカレー煮込みに目覚めさせてくれた弩美味いヤツ!朝日屋@東区
このような記事を書いておりますが、実を言うと私は2年前までは「カレーはライス!」な人生の人間でありまして、「カレーうどん」というと上記の若鯱家清明山店の本筋系統のお店でしか食べないというポリシーを持っておりましたが、2014年「カレー煮込みスタンプラリー」なるイベントにおいて、こちらのお店の「カレー煮込みうどん」を食べた瞬間に雷が落ちたのであります。
名古屋味噌煮込みうどん用の麺と、カレーのお汁の見事なまでのマッチングにはしみじみと美味いと唸ってしまったのです。
土鍋の蓋をとると、ボッコボコと火山のマグマのように沸き立って登場してくるのは味噌煮込みうどんと同じであります。アッツ熱なのでとんすいにもっさりとして固めなうどんを適量とって、フーフーと頂く様はまさに鍋料理の如し。程よく熱の通った卵ですが、卵黄部分に熱が通る前に卵黄だけ取り出し、カレー汁が染み込んだ麺を絡めて食べるTTU(Tamago Tuke Udon)は最高なのであります。
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http://ameblo.jp/fmk3776/entry-11980823714.html
【煮込みうどんについて】
土鍋でしっかりと煮込んでコクある味わいのうどんを作る為、名古屋手打ちの麺職人は製麺の時に塩を混ぜ込まない手法を選択したのです。
通常のうどんは塩水を小麦粉と合わせて製麺していく事で、うどん独特のツルツルシコシコでモッチリな食感を生み出すのがセオリー。しかしその麺では煮込んだ時に熱量で麺が負けてしまう。更に麺に溶け込んでいる塩が汁に出てしまい、しょっぱくなり過ぎてしまうのである。
先人の名古屋うどん職人が出した答えは、塩を使わない煮込む為のうどんである。モサッとして固くて生煮えのような出来上がりとなるのだが、鍋料理を食べるかのごとく食べ始めから食べ終わりにかけてアッツ熱なお汁を纏いながらもしっかりとした麺を保ち、お汁が麺に染みていく味わいの変化は、他のうどんにはない嬉し楽し美味しなひと時を作ってくれるのであります。
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3.カレーはきしめんでも面白いほど美味い!勝美屋@東区
勝美屋さんのカレーは純名古屋系統の色合いと申しましょうか。小麦粉とカレースパイスが適度にまじりあって出来上がる美しいカナリアイエローで登場してくるのであります。これは古くから名古屋カレーうどんを知る方々に愛されてきたカレー粉を、可能な限り再現したものを使っているとの事。そしてお揚げさんがふんわりと力強く、表面にポコポコと飾られているのも嬉しくなってきます。
今回はきしめんを麺コロ(冷たい麺)でお願いしました。
きしめんは麺が薄く延ばされているので、カレーうどんのアッツ熱のお汁で食べると麺が負けてしまいプチプチと切れてしまう恐れがあるのです。麺コロでお願いする事で、きしめんの本来の弾力が楽しめるのと同時に、アッツ熱のお汁が素早く麺に移っていく温度変化まで楽しめるのです。そしてこちらのお店のお汁は動物系のスープが使われているそうでトップリとコクある味わい。ジンワリと辛味も効いてきて気が付けば額は汗でビッショリなんてこともしばしばなのであります。
カレーうどんも良いけどきしめんも楽しく、そしてなんとトマトの乗ったカレー煮込みまでもが美味しい素敵なお店なのです。3回行って3杯食べるか、3人で行き3種類をシェアして食べるか作戦を企てて挑んでいただきたいところであります。
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4.カレー煮込みとチキンカツと生卵で幸せなひと時!三浦屋@東区
かつて麺類食堂に行けば良く見かけたであろう「チキンカツ」。今ではお店で見かける事は殆ど無くなってしまったのである。そしてかつては無かった「カレー煮込みうどん」。名古屋でも一部のお店でしか食べられなかったメニューであったのだが、2011年夏より尾張、名古屋のうどん店主有志が立ち上がり、名古屋めしとして広めて浸透していったのである。こちらのお店の店主はその有志の中心的存在であり、カレー煮込みにかける情熱は並大抵のものではないようだがそれはさておき。
見ました?このお店のカレー煮込みの画像。トップ画像としても使ってますので良くお分かりかと思いますが、ジワリと唾液が湧いてきますよね?
カナリアイエローのお汁がボッコボコと沸き立つ中、中央にプルンと卵黄が輝き、長葱、蒲鉾、玉葱、油揚げが取り巻くその向こうに可愛いチキンカツがしっかり鎮座しておられるのであります。これがカレーに合うので是非ともトッピングにお勧めしたいところ。そして煮込みうどんの麺はうどんと冷や麦の中間的な太さの細めのやや平打ちタイプ。もっさりとくる通常のお店のものと比べるとちゅるちゅると滑りが良く、咀嚼感もしっかりとしていてどんどん啜ってしまうのです。途中卵黄が潰れたり固まらないうちに取り出してTTU(Tamago Tuke Udon)をするのが私流の幸せのひと時なのです。
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5.名古屋北部にカレー好きうどん店主が作り出す素敵な逸品!みのや@豊山町
「野菜」は体に「良い」を掛け合わせて「やさいい」と言う造語だと思うのだが如何だろうか?機会があれば店主に確認したいところだが、このビジュアルを見ればまさにソレではなかろうか。長葱、蒲鉾、油揚げ、かしわ肉、花麩に玉子までは名古屋ではよく見かける煮込みうどんのトッピング類であるのだが、紅芯大根、パプリカ、かぼちゃ、ナス、ブロッコリーにトマトとなるとなるほど、体に良さそうな気になってくるから不思議である。更にはこのうどんに使われている麺は全粒粉を使っているのである。普通の小麦粉は胚乳部分だけを粉にしているのですが、全粒粉は小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたもので、 食物繊維や鉄分、ビタミンなどを豊富に含んでいるといわれるのだ。彩りも華やかなカレー煮込みうどんにこれだけの栄養素が揃い美味しいとなれば女性請けするのは間違いない訳で、実際にこちらのお店を訪れる女性の多くはコレをチョイスしているのを良く見かける。
独特の癖のある味わいの全粒粉の平打ち麺にカレーをタップリ絡めて啜り、野菜類もしっかり摂って体に良いこのメニュー。女性だけではなく多くの方に食べて頂きたい。もちろん普通の「カレー煮込み」、「辛いカレー煮込み」もラインナップに揃っており、限定メニューとして「土鍋つけ麺カレー味」もあってカレー好きな店主の作り出すメニューは楽しみがいっぱいだ。
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その1
http://ameblo.jp/fmk3776/entry-12110266155.html