１．いぶし銀の業が冴え渡る！『麺丸』渾身のネオクラシカルな一杯「屋台風中華そば」

各務原市西端に店を構え、2000年の創業から自家製麺に勤しむ孤高の実力店『麺丸』。
独自色の強い「台湾まぜそば」や、ボリュームとパンチ力の双方を兼備する「軟骨チャーシュー」など、同エリア他店に先駆けて新基軸を打ち出すフロンティアスピリットに溢れ、息の長い人気を誇る。豚骨系とまぜそば系が二枚看板を張るメニュー構成の中、あっさり好きに支持されているのが「屋台風中華そば」だ。

内面に雷文（四角い渦巻き模様）が描かれた器、中央にナルトと、確かに一見レトロな趣ではあるが、岐阜県産の銘柄鶏「奥美濃古地鶏」の澄んだダシをベースに、昆布の滋味と煮干の芳しさが横一線に整列した端正な味わいは、レトロの一言で片付けるのは憚られる、ネオクラシカルとも言うべき面持ち。

合わせる自家製の中細麺は流麗そのもの、スープを纏いたおやかになびく柔らかな仕上がりで、極上の喉越しを演出。繊維質がホロリとほどけるチャーシュー、シャクシャクとした歯応えが軽快なメンマなどトッピングも総じて抜かりなく、これでたったの620円だというのだから驚き。もちろん看板を張る豚骨系・まぜそば系もハズレなしなので、その日の気分に合わせて様々なメニューをお楽しみ頂きたい。

２．東海つけ麺王の味と魂を継承！『つけ麺丸和 各務原分店』の辛ウマ人気メニュー「台湾つけ麺」

名古屋市の本店を拠点に、愛知県内に４店舗を構えるつけ麺の人気店「つけ麺 丸和」。
東海地方で唯一「丸長」の流れを汲む店として、全国からもファンが押し寄せるほど。
もっちり艶やかな自家製麺を食べさせるつけ汁は、「丸長」の味を現代風に仕立てたあっさり味の『嘉六』、エリア随一との呼び声も高い超濃厚な『丸和』の２種を用意。
2007年の創業にも関わらず、どこか老舗の良さも感じさせる、全国的にも稀有な存在だ。

その本店で修行を経て暖簾分けを許され、2013年7月に岐阜県各務原市に創業したのが
『つけ麺丸和 各務原分店』。既にその東西に人気ラーメン店が構える中、本店譲りの味わいと麺のダイナミックな美味さで、早い時期から人気を獲得、店舗が建つ「いちょう通り（通称１６ｍ道路）」を「つけ麺街道」と言わしめる立役者的存在へと成長した。

当然ながら『嘉六』と『丸和』の２種が人気を二分しているのだが、同店にもやはりハードリピーターを量産している品があり、それが今回紹介する「台湾つけ麺」だ。
名古屋のご当地ラーメン・台湾ラーメンに倣い、台湾ミンチの辛味とニンニク＆ニラのタッグが放つ香味を投下、ヒキ満載のヤミツキ必至の味付け。
それらを受け止めるつけ汁のベースは『嘉六』と『丸和』のハーフ＆ハーフ。濃さも程好く食べやすい、それでいてつけ汁として物足りなさを感じさせない絶妙なバランス。
さらに、つけ汁の中には厚さ1cmほどのブ厚いチャーシューが潜んでおり、食べ応えもバツグン。溢れる旨みと台湾の刺激で麺をガンガン食わせる、辛い系ファン垂涎の一杯なのだ。

尚、好みに合わせて「辛さ控えめ」や「辛さマシ」も可能。
ベースも『嘉六』『丸和』のいずれかに振る事も可能なので、貴方のど真ん中を見付けて、存分に麺を啜って頂きたい。

３．麺肌のザラつきが心地良い！市民公園東『よなや』の「つけめん」は是非とも「極太麺」で

各務原市民公園のすぐ東に2004年から店を構える、つけ麺の人気店『よなや』。
2012年秋に内装をリニューアルして席数が増えてから、以前より女性客が多く見られるようになり、もともと行列必至だった人気ぶりは益々ヒートアップ。
「濃厚」の一歩手前といった感のある、ちょうど良い濃度の豚骨魚介ベースは、節系や昆布の旨みも感じられるバランスの良さで、食べ手の世代を選ばないのも特長。

ラーメン各種と塩つけめん用の中太麺、醤油・味噌・辛味噌の各つけめん用の太麺は、どちらもスルリとした喉越しのしなやかな仕上がり。
この太麺を使う３品はいずれも「極太麺」に変更可能（写真は醤油つけめん中盛）。

この極太麺、先の２種の麺と相対して、ガッシリとして小麦の密度が感じられる作り。
バランス重視の太麺とは異なり、弾けるようなハリとコシで、麺の存在感はグイグイ前に。
それでいて、麺肌はマットな質感で僅かにザラついており、つけ汁の絡み具合は隙なし。
このちょっとしたザラつきが他にはなく、舌や唇への当たりが実に独特、一度欲すると替えが効かない代物なのだ。
どちらにも長所があり、好みやその日の気分で選べるというのが嬉しい。

４．各務原市への移転でメニューも刷新！『やすや』のバランス感覚が冴え渡る「塩らーめん」

2006年3月に岐阜市岩田で創業、今年1月に各務原市・関江南線沿いに移転リニューアルした『やすや』。
移転を機にメニューも刷新、値段に比してお得感のあるボリュームはそのままに、魚介成分をよりハッキリと際立て、現代風の味わいへと昇華。
この事により、移転前から定評のあったクッキリとしてハリのある自家製中太麺が生き生きと感じられるようになり、より多くのファン獲得へ向けて大きく前進した。

中でも、移転前から最も変わったと感じさせられたのは「塩らーめん」。
どっしりと濃厚な動物系ベースに煮干をキリッと効かせ、大人好みの引き締まった表情に。
やや硬質で筋が一本通った麺がスープに寄り添い、ブ厚い旨みと密接に融和。
並で180g（茹で前）という多めの麺量も、しっかり食べたい向きには嬉しい限り。
カテゴライズすればいわゆる「濃厚豚骨魚介」に当てはまるが、麺とスープの親和性をキッチリと詰め、他店との差別化を図っている。

また、昼営業時に限り麺類をオーダーすればライス食べ放題（セルフサービス）という太っ腹なサービスも開始。そして全席禁煙に完全移行した辺りにも、移転先での再出発に賭ける意気込みが垣間見える。

店名：やすや
住所：岐阜県各務原市鵜沼三ツ池町1-24
電話番号：090-1752-5700
営業時間：11:30～15:00、18:00～21:00
定休日：月曜