1.先代からの味を守りつつ、新しいものにも日々挑戦を続ける老舗銘店【中華そば 藤王】

学生の頃、東京で食べた支那そばに魅了され、ラーメンの修行をされた創業者である先代が昭和57年に創業されたお店で、豚骨の聖地である福岡県で非豚骨として多くの方から支持を得ており、一昨年はあの世界的に権威を持つ食のグルメガイドにも、認定レストランとして掲載されています。先代が平成8年に引退された以降は、昭和63年に入社された方が二代目店主に就任され現在に至ります。

オススメの中華そばは鶏ガラを軸に、牛骨・牛スジ・豚足に数種類の野菜を加え、鶏油が浮く澄み切ったスープは、鶏や牛由来の甘味や野菜からの積層ある旨味で、あっさりながらもコクはしっかりとしたもの。スープの輪郭がぼやけておらずくっきりとしており、とても上品な味わいです。小麦の風味が豊かな中太な縮れ卵麺は、プリップリでプツンと歯切れの良い食感。上品なスープと上手く寄り添っております。具材は、バラ肉とモモ肉の2種のチャーシュー・メンマ・刻み葱とシンプルな構成です。キュッキュッっと噛めば肉々しい旨味が出るモモ肉に脂身と赤身のバランスが良いバラ肉もジューシーで部位特性の違いを楽しめます。上品なスープに、麺、具材に一体感のあるまとめ方が、とても秀逸な一杯です。

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2.一杯のラーメンに掛ける情熱が凄まじい無化調豚骨【ラーメン 無法松】

創業25年で小倉を代表する、行列必至のラーメン店。無化調豚骨に保存料・防腐剤未使用の生麺を使った体に優しい純豚骨を特徴としたこだわりがあります。また、もう一つのこだわりは、ほぼ同じ立ち位置から麺を天井近い位置まで放り投げる湯切りを魅せるパフォーマンスぶりです。

オススメのワンタンメンは脂の油層に厚みのあるオイリーな濃厚豚骨でタレもしっかりとしており、無化調ながらも輪郭はボヤけておらず、食べ進む毎にコクに深みが増していく印象を持たせるスープです。野性味溢れる様な獣臭は皆無で、油に厚みがあれどクドさやネガな印象はありません。麺は上記で述べた様に保存料・防腐剤未使用の生麺で、低加水のストレート細麺。そういう素材だけにダレ易い特性があるそうなので固めのオーダーが吉。ハリのあるパツンとした歯切れの良い食感で、スープをしっかりと持ち上げてくれます。具材は、チャーシュー・ワンタン・木耳・刻み葱です。しっかりと味付けされたトロトロに柔らかいバラ肉。豚骨にワンタン？！って思ったが、モチモチの皮がまたこのスープにジャストです。今まで全国食べ歩いて来た自身の経験値にも無い、唯一無二な味わいで素晴らしい一杯でした。

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3.父親から継承した味を守る、パンチの効いた王道 久留米ラーメン【魁龍 小倉本店】

創業24年で小倉にて、豚頭と背脂だけをひたすら煮込み、創業以来から熟成されたスープに鰻のタレを同じ様に継ぎ足していく『呼び戻し方式』を使った久留米ラーメンをルーツに持つ人気店。店内は、多くの各著名人のサイン色紙で壁一面が埋め尽くされています。

骨粉がビシッと鉢底に敷き詰められたザラザラ感満載に、凶暴な程の野性味溢れる獣臭の豚骨スープは、破壊力バツグンの超濃厚なドとんこつ。豚骨の甘味や随の旨味がしっかりと抽出された骨太な味わい。醤油のカエシも丁度良く、素材の良さが前面によく出てます。麺は、ハリのある中細ストレートで粉っぽさを感じる美味い麺です。さっくりとした食感で、濃厚なスープをしっかりと持ち上げてくれます。この麺が細麺だったらスープのインパクトの強さに埋もれるんだろうと思われます。具材は、チャーシュー・メンマ・刻み葱・海苔です。バラロールは、しっとりと柔らかく味付けも付いて美味い。卓上には多くの調味料が用意されており、後半から味の変化を楽しむ事が出来ます。中でも名物は魁獣みそ。まかないから生まれた、このみそは、もろみとちりめん・唐辛子に柚の風味のするオリジナル味噌で、ラーメンに入れるのではなくおにぎりに付けて食べるのがミソ。

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4.唯一無二な味わいの濃厚泡豚骨は北九州市のラーメンを代表する総本山【ぎょらん亭】

北九州を代表するラーメンの総本山。こちらから数々の派生が世に羽ばたき脈々とその味わいを受け継いでおられる様です。麺メニューは主に、泡泡濃厚豚骨に背油の乗った「どろ」・豚骨100％の「豚骨十割」・鶏ガラ2割に豚骨8割の少しあっさり目な「豚骨二八」にトッピング類となります。

どろラーメンは、圧力鍋で炊いた濃厚豚骨で、提供前にハンドブレンダーで撹拌させたカプチーノの様なキメの細かい泡泡ブクブク状に背脂がド真ん中に鎮座したもの。スープそのものは、ぽてっとした粘度で濃厚な豚骨の凝縮された甘味や旨味が詰まっており、クドさやネガな臭みは無く、コクに深みのあるクリーミーな味わいです。ハリがありスクエアタイプのストレート中太麺は、ムチッとした弾力のある歯応えで存在感のあるスープとの相性もいいです。具材は、チャーシュー・木耳・刻み葱・背脂です。厚みがありベーコンの様な形のバラ肉はしっかりとした甘味ある味付けです。

見た目程は、凄い重いっていう程でも無く意外にスルスルとイケますし豚骨の旨味をしっかりと感じられた印象に残る一杯です。

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5.長浜ラーメンの始祖であり博多のソウルフード的な存在のお店【元祖長浜屋】

店内が満席で溢れかえる、昭和27年創業で長浜ラーメンの祖である老舗銘店であり、替玉を生み出し世に波及した発祥店でもあり、博多のソウルフードとしても評されたお店。
券売機が外にあり、種類はラーメンのみ。あとは、替玉に替肉と、とてもシンプルな構成ですが何故か焼酎・酒・ビールとアルコール類が充実。発券された券をスタッフに渡し、麺の固さ・脂の量・葱の量をオーダー。大きなテーブルの空いてる席に相席にて座って待つ流れです。カウンターとかも無く、相席で寄せ合って戴くのが此方のスタイルです。 

ちなみに、麺の固さはハリガネ→ナマ→カタ→ちょいカタ→フツウ→ヤワ→ジュル。
脂の量は、ベタ→チョイベタ→フツウ→ナシ。
葱の量は、ネギヤマ→フツウ→ネギヌキ。
と、なります。まだ地元民ならではの細かな呪文もあるそうですが、
今回は全て普通で。（何も言わなければ全て普通です。）

かなり軽い口当たりの白濁としていないライト豚骨で、元ダレも割と控え目。豚骨由来の旨味やコク、甘味のある飲みやすいスープです。麺は、極細のストレート麺でパツンと歯切れの良い食感です。スープとの相性も抜群に良く、速攻で啜り終えてしまいました。
具材は、味付けした豚肉を刻んで細切りにしたものと刻み葱のみ。これが替肉として追加出来ます。この塩気立つ濃い目の味付けのされたお肉からの旨味が、スープ全体に広がりを持たせます。シャキシャキの新鮮な葱も、また良い。

 ライスとかが無いので、替え玉率が非常に高く、卓上にあるヤカンに入ったラーメンタレやゴマに紅生姜や胡椒等を好みに合わせてカスタマイズされている方々が多く散見されます。数年前に価格を400円から値上げした様ですが、それでもワンコインの500円で戴けるのはリーズナブルです。魚市場のお勤めの方を中心に、その胃袋を掴んだ一杯は美味しく低価格で満足も出来る内容です。

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6. 博多で地元民や県外の方々からも圧倒的な支持を得ている老舗銘店【名島亭】

1987年創業で、博多で地元民や県外の方々からも圧倒的な支持を得ている老舗銘店で、現在は新横浜ラーメン博物館に出店中でもある長浜ラーメンの筆頭格。メニューは、ラーメン・名島のチャンポン・餃子におでんとなり、おでんはなんと和出汁とかでは無く、豚骨スープで炊いた珍しいおでんです。

豚頭を大窯で茹でた後、茹で汁を捨て、豚頭を再度炊く事で臭みを抜いた出汁がとれ、そのスープを五右衛門鍋に移し、頭の骨を砕き更に煮込むという、手間暇の掛かったスープですが、一見重そうに見えるも、意外にあっさりとしており、しっかりと深みのあるコクのある豚骨スープ。タレが控え目で、素材の良さというか出汁感を引き立てた円やかな口当たりで、凄く美味いです。ハリのある極細麺は、さっくりと歯切れの良い食感です。具材は、チャーシュー・木耳・刻み葱とシンプルな構成。大ぶりな腿肉のチャーシューは柔らかくて美味い。ざく切りにした「博多産万能葱」は、シャキシャキの瑞々しさに仄かな苦味と甘味のあるもので、スープにアクセントを持たせてくれます。

開店直後に入店したので直ぐに戴けましたが、後客がどんどこ入ってきて即満席状態。行列必至の人気ぶりに脱帽でございます。

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7.「鶏100%豊潤濃厚スープ」に特化したラーメンつけ麺専門店【麺道 はなもこし】

地鶏居酒屋を11年間営んでおられた店主が「鶏100%豊潤濃厚スープ」に特化したラーメンつけ麺専門店として2011年にリニューアル。福岡の豚骨の固定概念を覆す事を身上に、熱い創意を持った拘りのお店です。また此方のお店は、開店して間もないが、こちらも件の世界的権威のお墨付きで行列必至の人気実力店でもあります。メニューは、濃厚鶏白湯と魚介のWスープに極細麺を合わせた鶏だしラーメンに、ほぼ無化調の鶏と魚介のあっさり清湯スープに細麺を合わせた鶏塩そばの2種をベースに、特製や味玉付等のトッピングメニュー、ごはん割り・替え玉・アルコール類となります。

鶏塩そばは、鶏を軸に鯵節や昆布で取ったクリアな淡麗スープで、魚介の風味が割と前面に押し出しており、和風っぽく滋味深い味わいで身体に優しく染み入ります。白醤油に含む添加物を除けば、ほぼ無化調のスープの様です。自家製の多加水ストレート麺は艶やかで喉越しが良く、小気味好い歯応えと小麦の風味が豊かな麺で、スープの旨味をしっかりと乗せてくれます。具材は、鶏叉肉・メンマ・ナルト・刻み葱・海苔です。しっとり柔らかな鶏ムネ肉のチャーシューは薄めの味付けながら素材の旨味を出したもので、スープのベースを壊さない様なまとめ方も好印象です。

福岡に来て、これだけのレベルの高い一杯に出会えるとは正直思ってもみませんでした。
此方も再びこの地に訪れる際には再訪したいお店のひとつです。

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8.博多ラーメンを日本各地へ発信、そして世界へ【博多一幸舎 博多本店】

福岡県下を中心にチェーン展開をされており、現在では他府県に海外まで手広く進出されている博多一幸舎の創業店です。メニューは、豊富な麺類に、おつまみチャーシュー・博多一口餃子等のおつまみ類、チャーシュー丼・めんたいご飯・チャーハン等のごはん類にドリンク類など、セットメニューも含め、品数が兎に角、豊富。

気泡の浮き立つ濃厚そうな豚骨スープは、二つの巨大羽釜で骨を継ぎ足しながら呼び戻していく「呼び戻し製法」で長時間焚きあげたもので、福岡県産地醤油3種と20種類以上の調味料、そして魚介5種で仕込まれたタレを合わせたスープ。臭みは抑えられており、とてもクリーミーでコクに深みがあり、脂っぽさやクドさの無い飲みやすい味わいです。自社製麺所「製麺屋 慶史」で各店舗に供給されている麺は、小麦本来の味わいと風味を活かす特徴を持っており、単なるただ固いだけの麺では無くもっちりとした歯応えで、細くもダレ難く、濃厚なスープをしっかりと纏います。具材は、チャーシュー・細切りの木耳・刻み葱です。大判でやや厚みある肩ロース肉は、しっかりと味付けされたもの。卓上には、沢山の調味料が揃えられており、食べ進めた途中からや替え玉時に、その味わいの変化を付け、最後まで飽きずに戴く事が出来ます。

地元民から愛されている一杯は、幅広い層から受け入れられているだけでは無く、豚骨嫌いな方でも食べやすい味わいで、魚介を含ませたオリジナリティーさがいいんでしょうね。

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9.「豚骨の聖地」福岡で、他ジャンルで勝負し全国区に名を広げた銘店【麺劇場 玄瑛】

外観は無機質で、映画館の様な段差のある構造の店内が面白く、厨房がその観客席から
見渡せるステージっぽさがまさに劇場スタイルの一見変わった店舗造りです。2011年には広尾に「GENEI.WAGAN」、昨年10月には3店舗目となる麺劇場を六本木に構えた、メディアにも露出の多い、話題性のあるラーメン店です。

 玄瑛流ラーメンは、豚骨に乾物を忍ばせたカエシと香ばしいマー油等の、多数の食材を積ね合わせて形成された無化調スープで、後半になると魚介が顔を出してきます。あっさりながらもコクがあり、その線の細さを全く感じさせない分厚い出汁感のあるスープです。小麦の風味が豊かな自家製の熟成細麺は、艶やかで瑞々しくモチモチとしたコシのある独特な食感で、ツルツルと喉越しも良く、スープの旨味をしっかりと乗せてくれます。具材は、チャーシュー・木耳・白髪葱・刻み葱・海苔です。

豚骨の聖地、福岡県では豚骨ラーメン以外のジャンルを非豚骨と呼ばれており、ド豚骨では無い豚骨で福岡県で勝負し全国区に名を広げた銘店は、形や演出だけでは無く中身も楽しませてくれる一杯です。

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10. 博多っ子に永きに渡り愛されてきたチェーン店【博多だるま】

昭和38年創業で、現在では福岡県・大分県を中心に店舗展開された、博多っ子に永きに渡り愛されてきたチェーン店で、芸能人の多くが此方に訪れていらっしゃいます。壁面には各著名人のサイン色紙がこれでもかと一面敷き詰められておりました。

羽釜で豚の後ろ足を焚き上げた「呼び戻し」製法を用いたスープは湯気が出ない程、表層に厚みある液状脂と背脂が浮き、澄んだ出汁そのものは見た目の印象より割りと軽く優しくも、表層の脂で結構なオイリーさがあります。元ダレの塩気を脂の甘味で押さえ込んだ様な丸みある輪郭で、素材のみで素材の持ち味を最大限に引き出したスープという感じでしょうか。「麦のいぶき」というブランドの内麦を使用した自家製の極細麺は、素麺並に細く、プツンと歯切れの良い食感です。具材は、チャーシュー・木耳・刻み葱とシンプルな構成です。また変わっているのが、卓上にはゴマや辛子高菜等は無く、生姜が紅生姜では無く白生姜があり、これまた珍しいです。

まさに博多のスタンダード的な存在の一杯ではないでしょうか。

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