寒さも和らぎ、気がつくと出会いと別れの春が近づいてきています。
そんな季節だから大切な人と頂きたい特別なランチをご紹介。
北新地の「湯木 新店」の松花堂御膳です。
弁当の代名詞「松花堂弁当」。
昭和の初期に茶懐石の弁当として、名料亭「吉兆」の創業者・湯木貞一氏が作ったのが始めとされています。
縁の深い十字に仕切った器が特徴で、煮物、焼き物、お造りなどの食材の味が他の料理に移らず美味しく頂け、しかも美しく料理を盛ることができるのだといいます。
こちら「北新地 湯木 新店」さんでは、創業者のお孫さんがその本物の松花堂弁当の良さを実直に伝えています。
松花堂御膳(¥3,000)
松花堂御膳には、この「海鮮の石焼」が付いてきます。
海老、帆立貝柱、椎茸、しし唐を、あらかじめ酒盗で下味をつけておいて、熱した石で焼いて頂きます。
具材を石に付けた瞬間、立ち上がる甘い香り。
酒盗自体はいわゆる珍味で苦手な人もいるかと思うのですが、この石焼きは具材の旨味がグッと増す調理法で、所々焦げた部分の香ばしさもたまりません。
石焼きで食欲が増したところに、松花堂弁当が登場。
十字に仕切られた箱の中には、煮物、揚げ物、刺身とそれぞれが小鉢に美しく盛り付けられています。
どれも美味しいのですが、焼き物にはお魚と合わせてこれも湯木貞一さんから受け継いだお店の名物「生麩の蒲焼き」が頂けます。
生麩の柔らかさと心地良い弾力、そして強い旨味が感じられる一品です。
もちろん天ぷらやお刺身、煮物も一つ一つが丁寧な仕事で、日本料理というのはこんなにも美味しいんだと思わせて頂けるのですが、忘れて欲しくないのがお味噌汁。
この日の具材は厚揚げと旬の鰤。
白味噌仕立ての甘味がくっきりと出たお味噌汁。
具材も豪華ですが、何よりも出汁の美味さに驚愕します。
日本料理の基礎はやはり出汁ということを強く感じさせる一杯です。
最後は柚子のシャーベットを頂いてお腹いっぱいで大満足。
3,000円というお値段以上に満足感のあるランチタイム。
こちらでは1,800円の鯛茶漬け御膳から、7,000円のランチタイム懐石まで用意されています。
区切りの季節、ここ一番という時にこそ本物の日本料理を味わってください。
夜は10,000円からの懐石料理が味わえます。
興味がある方は私のブログで、雰囲気を確認してみて下さい。