迷いがちな駅の出口がすぐに分る、頓知の効いた店名
レストランを訪れる時、アクセスはチェック事項のひとつになりますが、ここなら安心!というのが「metro cafe でぐち弐番」。
もちろん、東京メトロ南北線の赤羽岩淵という駅だということだけはチェックしておかなければいけませんが、駅についてからはもう安心。「でぐち弐番(出口2番)」に向かえば良いのです。
写真を利用して解説すると、お店に向かって左側が出口2番の地上入口。地上に出たら左側を見ればそこにお店があります。
料理はクラシック、技術の高さが新しい市場を開拓?!
バブルで舌を肥やした人々を、その後も確かな技術で満足させ続けてきた薗部明宏シェフが作る料理は、派手さはないが実直。
フランスの名門レストランで腕を磨き、帰国後は有名店の料理長を経て独立、そして閉店。人生経験も料理の味に深みを与えるのか、どれも素材と向き合って考えた最良の調理を施して作られたものばかりです。
写真映えがする華やかな料理、という分類には入りにくいですが、技術の高さは食べ慣れた人には一目瞭然。開店から3年半になりますが、正直これだけのフレンチ人口がいたのかと思われる立地で毎夜賑やかに営業をしています。
定番のアミューズ、豚のリエットは粗めにほぐされて豚肉の存在感が満足感を誘います。白よりも、赤が合うこのアミューズがあるからこそ、グラスでロゼを提供しているのかもしれません。
パンの立ち位置もクラシック、料理の名脇役!
薄切りスライスのバゲットがカリカリに焼きこまれたものも添えられますが、この存在感のあるリエットには、むっちりとした噛み応えのある自家製パンがピッタリ。
それを心得てか、提供はアミューズと同時です。
全粒粉とライ麦をブレンドしたものを、自家製酵母で発酵させた丸パンは、そのしっかりとした食感に加え、甘い香りと後味に残るかすかな酸味が特徴。
全般的にクラシックなお料理の、濃厚なソースとの相性は抜群。酸味が口の中をさっぱりとさせ、次を迎える準備をしてくれているようです。
例えばジビエ、でぐち弐番流に組み合わせたら?!
季節替わりのコースでは、エゾ鹿のローストを提供中。
エゾ鹿のジュと赤ワインを煮詰めた濃厚なポワブラードソースが敷かれた、この季節だけの一皿を2倍楽しませているのは栗のペーストとパン。
栗の甘いペーストは、辛味のあるソースとの組み合わせで新しい美味しさを作り出し、パンはその個性的な組み合わせの残像を最後に少しぼかしてセピア色に変え、良い思い出というアルバムに収めてくれるような存在です。
安定感のある料理は、最後の余韻にまで心配りが行き届いていると納得させられる構成です。
今だけの味、そして、これからが楽しみになる味
この魅力的なジビエ料理が味わえる「秋冬の味覚コース」は12月18日まで。終わるとクリスマスの特別コースへと変わってしまうので、三位一体のマリアージュを楽しみたい方は食べ逃さないように気を付けて下さいね。
もちろん、年を越してもジビエの季節はもう少し続くので、年内にご都合が付かなかった方はお店に相談してみて下さい。
ちなみに昨年は、同じエゾ鹿をポワブラードソースにアリゴを添えて提供していました。今年はポテトの重ね焼きと栗のペースト、来年はどうなるのか…と、進化への期待も高まります。
何度でも訪れたくなる、ワクワク感のあるお店です。
紹介しているお店はこちら!
- でぐち弐番
- フレンチ 地下鉄南北線 赤羽岩淵駅 徒歩1分
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