富山を中心に、各地のこだわり食材を惜しげもなく豪快に出す 阪急石橋の居酒屋「風の盆」

阪急石橋駅周辺は、交通の要衝であり大阪大学も近いことから、昔からの商店街をはじめ、飲食店がきゅーきゅーにひしめき合っている。大型のチェーン展開をするような店舗もまだ少なく、個性豊な店が多いのが魅力。

さて、今回は「旬のもの」「美味しいものをたらふく食べたい」･･･そんなわがままな人の願いを叶えてくれる店を紹介。阪急石橋駅からほどなくの場所にある「風の盆」だ。
石橋には、「旬のもの」「美味しいものをたらふく食べさせる」店は他にもあるんだけど、そのこだわりと豪快さはぶっ飛んでいる。富山氷見出身の頑固なおやっさんが、富山の食材をはじめ、いつでも美味いもんを用意して待ってくれている。

単品で注文することももちろん出来るんだけど、ここはおまかせでいこう。
おそらく、最初に「おまかせでいいですか？」と聞いてくれるから、素直な気持ちで全てを委ねるのです。

料理については、おやっさんが一人で切り盛りしているので、最初の生ビールで喉を潤していると･･･
「とりあえず、これつまんどって下さい」

おまかせの一品目は本バイ貝と、オイルサーディン。
このお店ではよく登場する本バイ貝だけど、とにかく大きいのよね。箸でおさえて身を出すんだけど、おやっさん曰く、「身を引っ張らず、殻の方を回すと綺麗に取れるから」･･･身が大きいから、貝ならではのグミグミ食感と旨みを存分に楽しめる。煮付け方もいい塩梅で、噛むほどにジュワ～

オイルサーディンは、これ、単純に煮付けてあるだけじゃなくて、先にスモークしているのか香ばしい風味が口いっぱいに広がるのと、丸干しのようなしっかり食感なんだよね。

酒の肴に最高やな。

そして、メインイベントの造り盛りがどーんと出てくる。写真は２人前。
他の物はともかくも、この盛り合わせを出す時は、おやっさんが直々に説明をしにくる。この日の造りは、本鮪、帆立、甘海老、鯛、間八、呼子剣先いかに、〆鯖は気仙沼の金華さばだ。
必ず、おやっさんは言う、「わさびは醤油に絶対に溶かさないで」。このわさびは、伊豆産。自分ですりおろして、と･･･爽やかでいい仕事するなぁ。

本鮪は希少部位の天身。大きくキューブ状にカットしてあるんだけど、しっとり滑らかな舌触りがクセになる。金華さばも、きずしにはしているけど、この脂の乗り方がしっかりして美味い！
とにかく、一つ一つが豪快カットなので、実はこの造りだけで、お腹がいっぱいになる勢いだ。

そうそう、忘れちゃいけないのが、申し訳なさそうに添え物として参加しているわかめ、実は、これもめちゃくちゃ美味い。気仙沼産で、シャキシャキこりこりの歯ごたえが最高だ。造りの１種類として、もっと堂々としてほしいものだ。

いつも、造りを食べるタイミングには日本酒に切り替えている。種類はないんだけど、ここはやはり、富山の銘酒「立山」（1合550円）を。大好きな酒の一つだ。

正直なところ、ここまでの段階ですでに、結構お腹が落ち着いてるんだよね。やっぱり、造りのボリュームがすごいんだろうな。
ところが、もちろんだけど、ここで終わるわけではないわけで･･･

わ！天ぷらの盛り合わせなんだけど･･･はい、ドーン。
皿に収まる収まらないというレベルをゆうに超える穴子･･･あとは、水茄子、南瓜の天ぷらだな。
穴子がこれまた、身がふかふかで絶品！水なすも、もともと大きなものを使っているから、これはこれで食べ応えがすごい。水なすの内部のふわっとした質感を楽しみつつも、お腹が･･･まさに、ご馳走攻め。

締めに、明太子ごはんということだったけど、さすがに2人で1つでいいですっていった結果がこんなことに（笑）
豪快に明太子、丸々１つに･･･このどわっと盛っているふりかけみたいなのは、昆布・じゃこ・ごまに高菜かしら･･･を混ぜ合わせたもので、ご飯のお供にいい塩加減と、昆布の粘りがある。
あかん、食べてまう･･･ 

あかん、お腹がく･･･苦しい。
ビールと日本酒を飲んだけど、全部で1人5000円はしなかったね。だいたい、おまかせをおねがいすると、料理は3000～3500円くらい。おまかせということは、美味いもんを提供しないといけないプレッシャーがおやっさんにもあるはずなんだけど、美味そうに食べている客の顔見てきっと楽しんでいるはずだ。
気になる人は是非。