メシコレからのお知らせ
開く
老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒
老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

最終更新日 : 2015/08/05

この記事をシェアする

  • LINEで送る
菊井 一之
菊井 一之さんを
フォローして更新情報をチェック!

メシコレ アカウントをフォローして
メシコレの更新情報をチェック!

和歌山ラーメンは、大衆食堂や専門店で地元に根付いているご当地ラーメンで、1998年元日に放映されたTVチャンピオン「日本一うまいラーメン決定戦」で石神秀幸氏が推薦した井出商店@和歌山市が、見事に優勝され、更には新横浜ラーメン博物館に臨時出店した事から、1日の平均杯数が約900杯という驚異の売上げを上げた事で、全国区に和歌山ラーメンの名が一気に知れ渡る事となりました。

和歌山ラーメンには大きく分けて、あっさりした「醤油ベースの醤油豚骨味」である車庫前系と、こってりとした「豚骨ベースの豚骨醤油味」の井出系と大きく2つの系統に製法が分かれてますが、店舗によって全て個性が異なる、そんな魅力のある和歌山ラーメンの老舗名店から新店、超人気店等を7つご紹介したいと思います。

和歌山ラーメンを全国区に広めた立役者的存在

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

1953年創業の和歌山ラーメンの雄ともいえる老舗名店で、和歌山ラーメンを全国区に名を広めた立役者的存在で、現在でも行列必至の人気店です。

オススメの中華そばは、やや獣臭が香り立ち、トルクフルな豚骨の旨味が溢れ、きりっとした醤油が立つ濃厚豚骨醤油のスープです。こってりとしていながらもクドさは全く無く、コクに深みがあり、後味がすっきりとした円やかな口当たりです。麺は、加水低めのストレート細麺。茹できった柔めの歯応えで、スープをよく吸っております。このスープにこの麺ありきといったところでしょう。具材は、チャーシュー・メンマ・千代巻・刻み葱で、千代巻や蒲鉾等の華やかなトッピングを乗せているのも和歌山ラーメンの特徴です。

テーブルには早寿司やゆで卵が置いてあり、会計時に食べた分を自己申告し精算をするのも、和歌山ラーメンの文化のひとつです。早寿司はアセの葉で巻かれた鯖寿司で、鯖の締め加減やシャリのお酢の加減が共に程良い酸味で、麺量の少ない中華そばに丁度いいマストアイテムです。これがまた中華そばにも合いますし、寿司をセットで戴く風習も和歌山ならではですね。

紹介しているお店はこちら!

車庫前系を代表する、屋台時代から愛されている老舗名店

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

1958年、屋台から始め、1964年にお店も構えるも2002年に店舗火事。翌年にリニューアルをされた車庫前系を代表するお店で、現在は3代目が営み4代目は修業中で、創業からの伝統の味を受け継ぐ老舗名店です。新しくなった店舗外観はスタイリッシュで、暖簾が無いので初めて訪問される方は気付かずに通り過ぎてしまうのでご注意を

こちらの中華そばは「醤油ベースの醤油豚骨」で所謂、車庫前系と云われるスープ。先程、記述した井出系とは製法が異なり、半濁で粘度が無いものの、豚骨の旨味はしっかりとあって、醤油がビシッと効いており、後味が嫌味の無いすっきりとしたあっさりスープ。鉢ふちまでなみなみとたっぷり入っております。麺は、丸断面の中太ストレートで柔めながらももっちりとした食感がスープとの相性も非常に良いです。オススメはチャーシュー麺で、鉢一面に花びらの様に盛り付けされており、見た目も華やかでボリューム満点です

紹介しているお店はこちら!

創業70年の歴史ある本店より評価の高い名店

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

JR和歌山駅付近に位置する、1940年創業の「アロチ本家〇高」の支店にあたるお店で、和歌山市内から少し離れた閑静な住宅街にあります。現在は、本店の娘さんが営んでおられ、本店の伝統ある味わいを今に伝える名店であり、その評価は本店をも凌ぐともいわれている様です

 オススメの中華そばは、まったりとした粘度のスープで骨太な骨格の豚骨醤油です。ネガな臭みは無く、豚骨のコクや旨みがしっかりと抽出されており、そこには全く重さを感じさせない円やかな口当たり。キレのある醤油がエッジを立てたシャープな味わいだが、全体的に丸みを持たせておりバランスが絶妙で飲みやすい。麺は、低加水の中細ストレートで、やや固い目の茹で具合で弾力があり、スープとの相性も非常にいいですし、脂身が少なめの腿肉のチャーシューもしっかりとした味付けで美味しいです。

 麺メニューの他には早ずしや、通年販売しているおでんに、飲み物類も豊富で、全てに串刺しされたおでんは1本(100円)とセルフで戴けるのですが、このおでんも濃い目の味付けされたお出汁がよく染み込んでおり、とても美味しいくて夜は1杯呑んでから〆に中華そばも良さそうです

紹介しているお店はこちら!

井出系にも車庫前系にも属さない唯一無二の和歌山ラーメン

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

1976年に創業の食堂が、数年前に中華そば専門店として業態を変更されてから、現在は昼営業のみで売り切れると早終いしてしまい、早い時間で13:15位に閉店と、非常にハードルの高い人気店舗です。メニューは、中華そば・中華そば1.5玉・中華そばダブル(大盛 チャーシュー増し)・肉増し・めしと潔い構成で、オススメは中華そばダブルにめしです。 

骨粉が底に詰まったテロリとしたスープは、濃厚な豚骨の旨味や甘味がしっかりと抽出されており、醤油が濃く主張の強い味わいです。コクのある醤油と豚骨出汁のバランスが良く、しっかりと脇固めされた輪郭ですが飲み易いです。ダブルはデフォより麺量が多く、エッジの効いた角断面の低加水の中細ストレート麺。さっくりとした歯切れ良い食感で喉越しも良く、気が付けばあっという間に無くなってしまいます。チャーシュー・メンマ・刻み葱とシンプルな構成で、厚みのあるバラ肉のチャーシューは、しっかりとした濃い目の味付けがされたものでご飯が欲しくなります。コリコリした歯応えのあるメンマも、味付けが濃い目の名脇役です。和歌山ラーメンを今まで戴いた中でも抜きん出た美味さです

紹介しているお店はこちら!

井出系にも車庫前系でも無い、山為系だ!と語る老舗食堂

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

1953年創業で和歌山市でも中心街に位置した、60年以上の歴史がある老舗食堂です。古き昭和のノスタルジーな雰囲気がある佇まいで、食堂の名の通り、うどん等の麺類や丼もの等の品揃えも豊富です。驚いたのは、中華そばだけ異様に高い価格設定。うどんが350円からで、その他の商品もリーズナブルな価格設定に対して、中華そばのみが突出して高く、それは近辺の和歌山ラーメンのお店より割高な1杯800円という強気な価格設定。勿論、それだけの手間暇はじゅうぶん掛かっています。

オススメの中華そばは、まったりとした粘度あるスープで、髄の旨味まで抽出された重厚なボディの豚骨醤油です。舌にざらつきを感じるものの、旨味のベクトルは非常に高く、カドの立たない醤油と甘味ある濃厚な豚骨出汁が、円やかで上質な味わいへと仕上げてます。この1杯は、井出系でも車庫前系のいずれに属しないオリジナリティさがあります。麺は、一般的な和歌山ラーメンとは異なる、特徴的なストレート太麺で、もっちりとコシのある食感で、重厚なスープにマッチした存在感あるもの。和歌山ラーメンで使われている細麺と違うのも山為流なんでしょう。具材は、チャーシュー・蒲鉾・千代巻・刻み葱で、チャーシューは、しっとりと柔らかく箸で掴んでも崩れ落ちる程、とろとろで脂身が甘いです。

「うちは、井出系でも車庫前系でも無い、山為系です!」と、店主さんが語るだけはあり、確かに何物にも属さないクオリティーの高い1杯と言えましょう。

紹介しているお店はこちら!

名店「無鉄砲」のDNAを持つNEO和歌山中華そば

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

今年の1月15日に、「無鉄砲」@京都・木津川市で修業された方が、独立開業された準新店です。無鉄砲といえば山奥の辺鄙な場所にお店を構えていながらも、その1杯を求め、県内は勿論、県外からも沢山の来店客数が訪れる、全国区に知れ渡る豚骨専門店です。メニューは、豚骨中華そばと濃厚豚骨中華そばの二本柱に限定のRed Hot Chili Soba。追加トッピング類やライス、餃子にドリンク類の品揃えで、卓上にはニラともやしのキムチっぽいもの・刻み海苔・胡椒・七味唐辛子の無料トッピングが用意されております。

オススメは濃厚豚骨中華そばで、和歌山ラーメン風にアレンジしたカエシを使っており、タレこそ違えど、髄の旨味までしっかり抽出された濃厚豚骨は、まさに無鉄砲イズムを感じる超ド豚骨な濃厚スープ。色合いから見ても、想像通りのやや塩分強めの加減で、脂の甘味がカドを削ぎ落とし、キレのあるいい塩梅な味わいに。「無鉄砲 しゃばとん」@奈良市で製麺された麺を使用した平打ち縮れ太麺は、密の詰まった強靭なコシのある食感で、存在感も充分。相性も非常に良く、粘度あるスープを持ち上げてくれます。具材は、チャーシュー・穂先メンマ・微塵切りの玉葱・刻み葱・ほうれん草と、和歌山ラーメンや無鉄砲とも違う、一見変わった構成です。

地元に根付くご当地の和歌山ラーメンには、良くも悪くも歴史は古いが目新しさが無い中、新たな刺客がこの地に根を張り、無鉄砲ブランドに頼らず無縁な地で挑戦されており、これからも注目したい新進気鋭のお店です。

紹介しているお店はこちら!

常に進化し続ける元和食料理人の腕が光る1杯はもはや全国レベル

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

老舗銘店から新店まで!和歌山の個性が異なる必食ラーメン7軒

最後のトリは、「清乃」。元和食料理人である原田店主は、2000年開業の当時から最近まで割烹料理屋として名物のジャンボエビフライや新鮮な魚介に高級なお肉を使った料理等に腕を振るっていたのですが、ある日、賄い程度にさばいた鶏ガラでスープを引いた頃からラーメンに魅了され、それをきっかけに取り扱いをし始めました。始めた頃は定休日を利用しては全国の有名なラーメン店を駆け巡り、最終的に辿りついたのが石川県金沢市にある「神楽」。神楽の店主を師とし、その技術を身に付け、改良を重ね、今年の5月には店内改装を含め、遂にラーメン一本で勝負をする事へ。 

オススメは、角長しょうゆ「匠」特選で、鶏ガラ豚骨に魚介を合わせた清湯に、芳醇な香りにコクに深みのある3年熟成醤油「匠」を合わせたものです。カエシや動物系出汁に魚介出汁の味を緻密に足し算引き算がされた渾然一体のスープは、その旨味に奥行きと余韻の心地良さのある秀逸なスープです。この日戴いたウェーブ掛かった中太麺は、小麦の豊かな風味が鼻孔をふわっと抜け、滑らかでモッチリとしたコシのある歯応えの自家製麺。チャーシューはバラ肉・肩ロース・炭火焼の三種のチャーシューが乗っており、それぞれの肉質や旨味を楽しめ、トゥルンと滑らかな皮にぎっしり詰まったワンタン。彩りの良い赤蕪、その他の具材を含め、スープ・自家製麺、全てにおいて隙が無く、一体感のある素晴らしい一杯です。

 また、今年3月24日に、近鉄百貨店 和歌山店の地下1F食料品売り場のイートインにてオープンした清乃@有田市の2号店は清湯の品揃えに対して、こちらは和歌山ラーメンである濃厚豚骨醤油をメインとしており、「うらしま」@紀ノ川をモチーフにした一杯は、丁寧に焚き上げられたフルボディの豚骨にビシッと濃い目の醤油が決まる、実直に美味い濃厚豚骨醤油で、こちらもオススメの1杯です。(写真下)

紹介しているお店はこちら!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

※本記事は、2015/08/05に公開されています。メシコレで配信している記事は、グルメブロガーの実体験に基づいたコンテンツです。尚、記事の内容は情報の正確性を保証するものではございませんので、最新の情報は直接店舗にご確認ください。

最近見た記事

    カテゴリ

    都道府県

    メシコレの最新記事を逃さずチェック!

    メシコレのアカウントをフォロー

    この記事もオススメ閉じる