鉄の都として栄華を誇った北九州市八幡地区。官営八幡製鐵所(現新日鐵住金)etcと共に日本の近代化に大きな役割を果たしてきました。
その八幡製鐵所では多くの労働者が従事し、激しい肉体労働の中で安く・ニンニクなどのスタミナ素材を含む餃子を好んで食べてられていたとの事。また戦後の物資が乏しく貧しい時代に、少ない食材で作る事ができる栄養満点の餃子が重宝された事から餃子文化が浸透したみたいです!
こうして「ぎょうざ」は八幡の食文化として根付き、現在では「八幡ぎょうざ」として独自の発展を遂げています。有志により「八幡ぎょうざ協議会」を立ち上げており、2014年には全国餃子サミット&全国餃子祭りin北九州が八幡の地で開催されるなど、さらなる盛り上がりをみせています。
現在「八幡ぎょうざ」は大きく4つの特徴で分類されています。
1. 鉄なべ系餃子
八幡が発祥!餃子を鉄なべに乗せたまま出すスタイルの鉄なべ餃子
2. 中国本土系餃子
本場・中国の味を継承する肉厚の皮と中身がジューシーな餃子
3. ラーメン系餃子
豚骨スープを使って焼き上げるラーメン店系の餃子
4. お母さん系餃子
薄皮にたっぷりの餡と女将さんの愛情たっぷりの餃子
今回その中でも、鐵関係から生まれたのか???八幡が発祥と言われる「鉄なべ餃子」にスポットを当て、その本家本元の「鉄なべ餃子」が食せる厳選した3店舗をご紹介したいと思います。
鉄なべ餃子発祥店『本店 鉄なべ』元祖鉄なべ餃子が食せます!【北九州】
昭和33年(1958年)北九州市八幡西区折尾で創業。後に現在の黒崎に移転。長きにわたり地元の人たちの胃袋を支えている元祖鉄なべ餃子店です。
席に着くとまず目に飛び込んでくるのが、カウンター上の何やら帯状の黒い部分?何かと思えば鉄板が埋め込まれているんです!その鉄板部分を鍋敷代わりに、加熱した鉄なべがコンロからそのまま運ばれてくるんです。
上から見ると結構ボリュームがありそうに見えるのですが、薄く平べったい形状なので、一口でペロッといけるサイズ。(具材の量は少なめかな?)肉より野菜の甘さが前面に出ているように感じます。
ラードは使われておらず、またニンニクが入っていない事からかなりあっさり系。肉汁溢れる餃子を求められる方にはちょっと物足りなく感じるかもしれませんね!
鉄鍋で焼き上げるため、皮の部分には余分な水分が残らずパリッとした食感を生み出しています。もっちり&パリパリとした焼き皮を楽しむ餃子、ビールとの相性も抜群!鉄なべの熱で、最後まで熱々の状態で食べる事ができます。
厨房のど真ん中では、おばちゃん達がお客さんにお尻(背)を向けて、皮を伸ばすところから一心不乱に餃子を作り続けられています。これがこちらのスタイルですので、接客が悪い等々のクレーム無きよう、あしからずご了承くださいませ。(笑
紹介しているお店はこちら!
ぎょうざ いずみ~皮の包み方が特徴的です!【北九州】
かなり年季の入った外観。昭和の香り漂う決して広くないカウンター席だけのお店ですが、いつも行列が絶えず待つのが嫌いな私はなかなか味わう事ができない鉄なべぎょうざ店です。
椅子に座る瞬間に「何人前?」って聞かれることも(初めてだったら焦りますよね!)
餃子をオーダーした後は、サイドメニューの漬物をツマミに晩酌スタート。ボリボリ言わせながら餃子が焼き上がるのを待ちましょう。
焼きは大女将の分担らしく、鉄鍋をコンロにいくつも並べ焼き上げています。
餃子の特徴は焼き餃子の皮が中央の1点しか止まってなくて両端から餡が見えるところでしょうか。カウンターの奥で皮を伸ばして作っている手作りの餃子ですが、包むというより巻いているという方が正しいかもしれないかなりアバウトな包み方です
熱々の鉄鍋にごろごろバラバラの状態で登場。無造作感が独特の雰囲気を醸し出しています。また完全密封しない包み方なので、肉汁は鉄板に流れてしまってます。
餡はしっかりした味がついていて、シャキシャキっとした食感と、少し濃いめの味付け、カリッと焼き上がった皮ですが、もっちりした食感と焦げの食感とがコラボした旨さです。
餃子のタレは酢醤油で、好みでラー油に鷹の爪を漬けたものを辛味として利用します。
ニンニクがほどよくきいた焼き餃子、本当にビールによく合う逸品です。
しかし人気店だけにひとつ欠点が・・・
外観がガラスばりなので込み具合がひと目で分かります。カウンター席の後ろの壁際には待合い席がズラリ並んでおり、多くの人に後ろで待たれると食べてる人はちょいとプレッシャーを感じるかも。(私はゆっくり飲みたい派なのでこの雰囲気に押し潰されそうです)ゆっくり食べたいのであればオープン直後の早い時間帯をおススメします。
紹介しているお店はこちら!
ぎょうざ亭たしろ~大葉巻ぎょうざが一番人気の鉄なべ餃子店です!【北九州】
JR八幡駅から徒歩10分程度と皿倉山が望める尾倉交差点付近で営業されています。
メインの八幡ぎょうざは、鉄板焼ぎょうざ・なすぎょうざ・大葉巻ぎょうざ・にらぎょうざ・激辛ぎょうざの5種類。また水餃子でなく、蒸し餃子が用意されているのも特徴のひとつです。
カウンター席の目の前には使い込まれた漆黒の鉄なべがズラリ並び、その鉄なべで焼き上げられた薄皮の餃子は表面カリカリと素敵な焼色を醸し出しています!
一番人気は「大葉巻ぎょうざ」
ちょっと餃子の皮が緑がかって見えるのですぐに判別できるかと・・・。
ぎょうざの皮と具材の間に一枚丸々の大葉が巻いてあります。大葉独特の風味が抜群!タップリ包まれた具材の数々とのハーモニーを味わってください。これはハマる事間違いナシです!
また「激辛ぎょうざ」なるものも用意されており、辛いものが苦手な私めはあまりの辛さに絶叫しながら食べていたとの噂の一品です。辛いものがお好きな方、是非チャレンジしてみては如何でしょうか!