ご当地グルメ研究家の椿でーす。
名古屋には独特の喫茶店文化があるので、「モーニング食べよう」とか「お茶しよう」というと、つい喫茶店へ入ってしまいがちなのだが、たまに違うテイストのお店に行ってみようと、和菓子屋さんのカフェへ足を運んでみた。
大きなお城がある街には必ず和菓子文化があって、実は名古屋も老舗の和菓子屋さんが多いエリアでもある。
やって来たのは、両口屋是清(りょうぐちや これきよ)。
創業380年を越える老舗店で、尾張徳川家の御用菓子を務めたそうな。
東京でもデパ地下などで見かけるので、知っている人も多いだろう。
2013年11月、東山エリアにできたカフェ喜蝸庵。
三角屋根がちょっとカタツムリ(蝸牛)のグルグルを思わせる。
このスタイリッシュでモダンな建物は、建築家の隈研吾(くま けんご)氏によるもの。
歌舞伎座(東京・東銀座)とか、スターバックス(福岡県・太宰府)とか台湾のパイナップルケーキ屋さんサニーヒルズ(東京・表参道)が思い出されるが、意外にも和菓子屋さんを手がけたのはこちらが初めてなんだとか。
いわれてみれば何だか納得の外観。
1Fはショップで定番商品や季節限定の和菓子、この店舗オリジナルの和菓子っぽくない和菓子なども扱っている。
そして2Fが豆をテーマにしたカフェなのだ。
おお、2Fに上がる階段の脇に「隈研吾」の文字が!
そういえば、建物って『定礎』なんかはよく見かけるが、建築家の名前ってどこにも書かれてないよねぇ。
階段を昇っていくと、このようなイートインスペースになっていて、天井が高くて気持ちの良い空間が広がっていた。
木をふんだんに使っているせいかとっても落ち着くなぁ。
やはり和菓子屋さんだからか、お客さんも比較的大人が多いので静か。
豆がテーマのカフェとあって、『みつまめ』や『ぜんざい』などがあるのだが、変わったところで『まめシリアル』とか、謎メニューも多い。
もちろん季節の生菓子もいただける。
ああ、やっぱり和菓子って美しいねぇ……とため息。
で、椿は白いぜんざいをオーダーする。
『ぜんざい』といえば、いわゆる小豆を煮て作る白玉とかお餅入ってるアレでしょ?
白ってことは白あんなのか?
はてさて、どんなのが来るのよやら、と思っていたら……
来ましたよ、白いぜんざいが!
わわわ、何これ!?
私の知ってるぜんざいのビジュアルじゃないんですけど(笑)
まるでフレンチのコース料理のポタージュみたいな器で、エディブルフラワーが添えられ、器の端には赤い点々と、ずいぶんかしこまって出てきた。
おお、さっぱりして美味しい♪
なるほどね〜。
シンプルだけど白小豆をまるごと使っているので、豆の味やほっくりした質感がよくわかる。
小豆のぜんざいより優しくて、甘さの引きが早いというか、さっぱりしている印象。
こういう調理方法って味を誤摩化せないから、いい素材を使ってる証拠だね。
添えてあるラズベリーソースをかけると、酸味が入って一気にパンチの効いた味になる。
味の変化も楽しめて、なかなかニクい演出!
二度美味しいのは嬉しいね〜。
ちなみに一緒にオーダーしたのは、おススメに従って緑茶ではなく紅茶。
紅茶独特の香りと白あんの味わいが、絶妙に合ってて美味しい!
日本茶でももちろん美味しいと思うんだけど、紅茶との組み合わせは意外な発見だった。
聞けば、わざわざお店用にブレンドしてもらってるんだって。
あ、普通のぜんさいもありますw
もちろん小豆もお砂糖も最高級の素材なので、飽きずに食べられる。
抜群の安定感でこれはこれで大変美味しい。
う〜む、ココは名古屋の老舗和菓子屋さんの挑戦とみた。
表参道ヒルズの中にも両口屋是清のカフェがあるんだけど、あちらとは全く別のメニュー。
素敵な空間で上質のものがいただけて、しかも静かで落ち着けるカフェ。
カフェ喜蝸庵、これは穴場かもしれない……