フードメディアディレクターの福田美佐子です。
下北沢という街は面白い人たちが集まり、そして個性的なお店たちが街と共存しています。その中でも特に異彩を放っているが、2014年8月に下北沢にオープンした「Salmon & Trout(サーモン&トラウト)」。お店は下北沢から徒歩10分、あるいは三軒茶屋から12分という、繁華街からは少し離れた場所にあります。
突如下北沢に現れた、若きシェフの実験室は自転車屋さん?
店内は古い建物をセンスよくリノベーションしており、ガレージのような実験室のような不思議な雰囲気。窓際にはアンティークな自転車が飾られており、まるで自転車屋さんのよう。
そんな個性的なお店を切り盛りしているのが、20代後半の森枝シェフ。世界的に有名なシドニーの「Tetsuya’s」や世界的権威に認められた「湖月」マンダリンオリエンタルの「タパス・モラキュラーバー」とかなりの凄腕な経歴。そしてソムリエはバンド「told」のギタリストとして活躍する山崎裕太氏。さすが自由な街下北沢にふさわしい個性的な組み合わせです。
皮付きキウイからザリガニまで!旬な食材で一期一会なこだわり料理
お料理は5000円と6500円のお任せコースのみ。メニューはその日の旬な食材を使い、シェフのオリジナルな料理で楽しませてくれます。フレンチでもイタリアンでも和食でもない自由な「森枝食堂」という表現がぴったりくるかもしれません。
コースの前半は魚介や野菜などを使ったお料理たちが、軽やかに出てきます。特に印象的なのが「キウイとハーブのサラダ」。皮付きのキウイをお皿に見立てて、パクチーや木の芽などのハーブに生胡椒が入っており、味も見た目もオリエンタルな雰囲気。有機栽培のキウイだからこそ、安心して皮ごと美味しくいただけるとのこと。
軽やかなお皿の後は個性的な料理たちが。「ザリガニ」をオシャレに出してくれたり、アメリカンな「フィッシュアンドチップス」が出てきたりと、型にはまらない料理がつづきます。
そしてメインは「鹿肉のカツレツ」。絶妙な火入れの鹿肉にアーティスティックな盛りつけ、シェフの勢いと情熱が伝わってくるかのよう。ちなみにカウンターの目の前で素敵な料理を繰り出すシェフですが、とても気さくな方でお客さんみんなに気を配りながらトークでも楽しませてくれます。
お酒はビオワインから日本酒、そしてみりん?!
お酒はイタリアを中心としたビオワインや日本酒がグラスでいただけます。しっかり飲みたい方はコースに合わせて出してくれる5杯で3000円のセットがおすすめ。最初は野菜に合わせてスパークリングや白、途中で日本酒やビールが入って、赤ワインなどお料理に合わせてレアなお酒がこれでもかと出てきます。
そして食後酒として出していただいたのが、何と「みりん」!口に含むとメイプルシロップのようなバニラ風味なんですね。お酒でも最後まで楽しませてくれるところがまたたまりません。
カジュアルだけど味は一流、そして自由な大人たちがあつまる秘密基地。
カジュアルな空間で織りなされる一期一会の料理たちは、身近な食材を使っていながらも味は一流。そのシェフの自由かつアイデア溢れる料理に惹かれて、遊び心を忘れない大人たちが集まるイマドキの秘密基地といったところでしょうか。
下北沢らしいエッジのきいた美食をお探しでしたら、是非一度いってみる価値はありますよ。個性的な若きシェフの進化に、今後も目がはなせないお店となりそうです。
紹介しているお店はこちら!
店名:サーモンアンドトラウト (salmon&trout)
住所:住所:東京都世田谷区代沢4-42-7
電話番号:080-4816-1831
URL:https://www.facebook.com/pages/SalmonTrout/320888264759549