メシコレでは、いつも和食を中心に記事を書いているが、岡山県でとても面白いラーメンを食べたのでご紹介。

伯備線というローカル線で中国地方を縦断していると、新見駅という小さな駅がある。ここに「たい焼きラーメン餡じゃない」という名前のラーメンがある。「たい焼きラーメン」と聞いただけでも不安になりそうだが、さらに「餡じゃない」と言われると頭が混乱してくる。注文したのは「たい焼きラーメン餡じゃない」の「普通」。もう何が何だか分からない感じだが、ここでいう「普通」とは「普通盛り」のことらしい。

「たい焼きラーメン餡じゃない」の「普通」！

出てきたラーメンは、予想に反してキラキラとした美しいビジュアル。スープも滋味深さを予感させる、深みと透明感のある綺麗なスープだ。これでたい焼きさえ載っていなければ…、いや、そのくらい本格派の風格がある。

たい焼きの中身はニラ、タコ、ごぼう、しめじなどが入っている。確かに「餡じゃない」。でもこれ、結構うまい。基本は昔ながらのラーメンの雰囲気だが、意外に太めの麺と鶏と煮干しのスープがよく合う。うどんに近いような印象も受けるが、かなり洗練されている。

「たこ焼きラーメン」の「普通」！

もう一つ注文したのは「たこ焼きラーメン」の「普通」。今日は恥ずかしがらずにヘンテコメニューで勝負だ。このたこ焼きは普通のたこ焼き。麺やスープは「たい焼きラーメン餡じゃない」と同じようだ。とにかく、たこ焼きの存在を忘れるほどにラーメンがうまい。

こんなところで出会うとは… 「じゃこカツ」！

うまいといえば、「じゃこカツ」もうまかった。じゃこカツというのは魚のすり身で作る揚げ物で、愛媛県周辺では特に異常なまでの盛り上がりを見せている。このじゃこカツもかなり本格的で、「じゃこカツラーメン」も食べておこうかと本気で検討しそうになったほどだ。他には「から揚げ」や「とんかつ」もあり、当たり前のようにそれらをラーメンに載せたメニューも用意されている。

昭和22年に中華そば専門店として創業した「山金」。鶏ガラや煮干しを使った繊細なスープは感動的なうまさだ。「たい焼きラーメン餡じゃない」とか、「たこ焼きラーメン」だとか、一見ふざけたようなメニューでも、絶妙なバランス感覚で普通にうまいラーメンに仕上がっている。興味のある方は一度訪れてみてください。