ミナミの外せない名店!
ご当地グルメ研究家の椿です。
昔、大阪に住んでいた頃から現在に至るまで、無性に食べたくてたまらなくなって、たまに禁断症状が出てしまうメニューがある。
そんなときは、地下鉄御堂筋線に乗ってミナミへ行き、まっしぐらに千日前を目指す。
なんばグランド花月を横目で見ながら目指すはココ。
大阪の芸人さん達も通うお店、レトロな外観の千とせ。
現在は三代目のご主人が切り盛りしている。
昼間しか営業していないこともあり、近所の人やサラリーマン、観光客であっという間に行列するから、時間に余裕があるならば、12時前までに滑り込みたいところ。
肉吸いとは何ぞや?
店内はそう広くはないので、見知らぬ人と必ず相席で座ることになる。
2人で行ったら、向いではなく横並びで座るのがルール。
それがまたこのお店の味のひとつなのよね~。
うどん、そば、親子丼など色々あるのだが、ほぼ100%の人が頼んでいるのが……
千とせ名物の肉吸い(にくすい)というメニュー。
そう、ココで食べるべきは、肉吸いと卵かけご飯なの!
いわゆる『肉うどん』の出汁と具だけで、うどんの代わりに半熟卵がゴロっと1個入ったものが『肉吸い』なのだ。
卵かけご飯は小と大があり、それぞれ『小玉(しょうたま)』、『大玉(だいたま)』と呼ばれている。
最初から温かいご飯の上に生卵がのった状態で出てくる。
小でも丼で出てくるので、なかなかのボリューム!
まずは肉吸いをひと口すすると、カツオと昆布がベースの黄金色の出汁の旨味が体中を駆け巡っていく。
この関西らしいこの出汁の風味がココロをほっとさせる。
あー、これこれっ、この味!
柔らかい牛肉がどっさり入っていて、そこに青ネギのシャキシャキ感が加わると、しみじみと「来て良かった」と思うのだ。
小玉に卵かけご飯専用のお醤油を回しかけて、ガーッとかき混ぜたら豪快に口へ運び、ご飯が残っているうちに肉吸いの出汁とお肉を追加投入するの。
卵の絡んだご飯と甘めのお肉と出汁が相まって、もう最高!
日本の食文化のひとつ、口内調理ってこういうことだよねって実感。
肉吸いには豆腐入り(これがけっこうデカい)があって、これをオーダーしている人も見かけるが、女性にはもしかするとちょっとヘビーかもしれない。
肉吸いが生まれたワケ
この肉吸いという不思議な料理には、有名なエピソードがある。
昔、とある有名芸人さんが二日酔いで来店したときのこと。
「肉うどん、うどん抜きで」
とオーダーしたんだそうだ。
その後、「千とせで肉吸いを食べると売れる」と芸人さん達の間で噂が広まり、元は裏メニューだったはずの肉吸いが、今ではすっかり看板メニューになったというわけ。
ちなみに、現在はなんばグランド花月の中に千とせの別館があり、本店が定休日の火曜でも営業しているし、夜でも肉吸いが食べられるのが嬉しい。
でも本店しか行ったことないが……(笑)
何を隠そう、過去には椿もちょっとしたゲン担ぎで食べることもあった。
受験シーズンにもおススメ!?
しかし、この肉吸いがたまらなく食べたくなるときがあって、ホントに困るんだよねぇ。
あああああああ、何で東京にないんだ、肉吸い!!
今年もきっと何度か食べに行っちゃうに違いない。
あっ、もちろんオリジナルの肉うどんも関西風でとっても美味しいよ!