本題に入る前に、まずは一言、この場をお借りして断りを入れておきたい。
前回記事において私は、「今秋も宝の原石が続々!超ラーメンフリーク一押しの新店5選」という特集を組み、「この店であれば、自信を持ってお薦めできる」と太鼓判を押せる新店を、5店舗に絞り込んで御紹介させていただいたところだった。
ところがその後、私の中である「感情」が頭をもたげ、どうしてもぬぐい去ることができなくなってしまった。
『たったの5店舗では到底、2014年秋のラーメンシーンを語り尽くしたとは言えない』という率直な感情だ。
本年の、特に下半期は、史上稀に見る新店ラッシュ。
少なくともあと3店舗は紹介させていただかなければ、発信者としての責務を全うしたとは言えない。
そこで今回は、特別にお赦しを得て、前回御紹介できなかったラーメン店のうち、選りすぐりの3店舗を御紹介したい。
もちろん、今回も「出来立てほやほやの新店」を厳選し、どこよりも早くホットな情報をお届けする所存である。
皆さんも、このレポを参考に、前回に引き続き、生涯の「食の友」を見つけていただければ、幸いである。
外観・内観・味、全てがパーフェクト!志茂のトリプルクラウン『noodle kitchen ミライゑ』
どちらかと言えば、濃厚系、がっつり系ラーメンを提供する店舗が軒を連ねているイメージが強かった、志茂のロードサイド。
そんな志茂エリアに、本年11月1日、スタイリッシュを絵に描いたような新店が産声を上げた。
そのお店の名は、『noodle kitchen ミライゑ』。
ガラス張りの外観が、街道沿いでひときわ異彩を放つ。
ラーメン好きでなくとも、つい足を踏み入れたくなるような魅惑的な外観だ。
メニューは「TOKYO醤油ラーメン」「濃厚SILKYつけ麺」「牛煮込みまぜそば」の3種類を軸とするが、他店ではお目に掛からない「牛煮込みまぜそば」が特にお薦め。
正三角形の器に盛りつけられた名門「三河屋製麺」製の中細ストレート麺が、スポットライトを浴び、艶やかに輝く。ひと目で創り手の技量の高さが判る圧巻のたたずまいだ。
コクとキレが同居するタレは、麺をひと啜りした刹那、食べ手を忘我の境地へと誘う。
ともすれば膨らみがちなうま味を絶妙なさじ加減に抑え込み、麺が喉元を通過するタイミングで、極上の余韻を残しながら、後進に跡を譲る仕掛け。
メニュー名にもなっている「煮込み牛」の風味も芳しく、丼を空にするのが惜しまれるほどだ。
紹介しているお店はこちら!
- noodle kitchen ミライゑ
- 北区赤羽のラーメン店 東京メトロ南北線 志茂駅 2番出口 徒歩5分
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神奈川淡麗系の正統派を継承。辻堂に舞い降りた巨星『麺や 渦雷』
湘南エリアを代表する人気店のひとつである『麺やBar渦』。
その『渦』が11月1日、待望の2号店を辻堂の地にオープンさせた。
それが、こちらの『麺や 渦雷』だ。
オープンからわずか1ヶ月で、堂々たる行列店へと成長。
メニューが「中華そば醤油」「中華そば塩」「中華そば辛SOBA」の3種類と少数精鋭であることも、手を広げず、決められたメニューをキッチリと創り込んでいきたいという店側の姿勢がにじみ出ており、好感が持てる。
券売機に、店内連食(店内において、1人で2杯以上のラーメンを食べること)を想定した注意書き。
1度口をつけると、2杯、3杯と立て続けにオーダーしてしまう。同店のラーメンの水準の高さを裏付けるエピソードだ。
「中華そば醤油」は、数種類の煮干しを縦横無尽に駆使したダシに、鶏の滋養味をフワリと被せた和味豊かなスープが、じわりと胃臓を潤す。
うま味の土台をしっかりと構築するカエシも、食べ終わりまで力強く食べ手をけん引。
ファーストタッチこそ穏やかだが、煮干し、鶏、カエシがそれぞれの持ち場で、持ち味をいかんなく発揮し、レンゲを持つ手を止めさせない。
スープをしっかりと口元へと運び込む中細ストレート麺の仕上がりも上々。
淡麗王国「神奈川」の底力を、存分に見せつけてくれる。
【麺や 渦雷】神奈川県藤沢市辻堂新町1-9-7
(営業時間)11:30~14:30、17:30~21:00 月曜定休
(電話番号)非公開
まるで宝石箱のように煌びやかなビジュアルに心奪われる『地球(ほし)の中華そば』の1杯
今年の神奈川県の新店は、例年にも増して豊作ぞろい。
そんな新店群の中でもとりわけ、ラーメン好きからの熱い視線を集めているのが、本年10月20日、伊勢佐木長者町にオープンした『地球の中華そば』だ。
店主は、ラーメン界の聖地「ラーメン博物館」の『麺の坊砦』で店長を任されていた凄腕。
『麺の坊砦』は豚骨ラーメンの人気店で、こちらは淡麗タイプのラーメンが主力だが、『砦』で培ったうま味をしっかりと抽出する手法は、同店においても十二分に活かされている。
お薦めは、「ワンタン地球の塩そば」。
屋号にも使用されている「地球」の2文字を冠した「地球の塩そば」に、甲殻の香り高き「海老ワンタン」を添えた一品だ。
地球の海と陸の比率と同じ「7対3」の割合で、海塩と岩塩を用い、アサリ、カキ、昆布を合わせた塩ダレは、ひと口でうま味が舌蕾を貫通し、食べ手に深い感動をもたらす訴求力を誇示。
中でも、昆布由来のうま味の軸足の太さは特筆もの。
何度レンゲを口元に運んでも、その都度、新たなうま味を見出すことができる。
「『淡麗』とは、淡泊であることとイコールではない」旨を痛感させられる瞬間だ。
スープを浮遊する多「色」済々の「あられ」のカリッとした食感と、麺のソフトな食感とのコントラストも、絶妙の極み。
塩ラーメン好きを自認される方であれば、必ずや押さえておきたい良店だ。
【地球の中華そば】神奈川県横浜市中区長者町2-5-4 夕陽丘ニュースカイマンション101
(営業時間)11:30~15:00
水曜・金曜:11:30~15:00、18:00~21:00 (スープなくなり次第終了)
月曜定休
(電話番号)045-319-4248