2013年の埼玉の覇者が遂げた更なる進化。今や関東の聖地のひとつとなった『中華そば四つ葉』
ラーメンに限らず、料理の作り手にとって、時代の流れに左右されずに、変わらぬ味を提供し続けることは、至難の業。
だが、より困難なのが、自らが築き上げた味を見直し、前進し続けることだ。
『中華そば四つ葉』。
昨年6月21日に埼玉県比企郡川島町の地でオープンして以来、瞬く間にスターダムにのし上がったラーメン界のサラブレッド。
2014年ラーメンウォーカーでは埼玉県の新店グランプリの栄光に輝き、全国の新店総合ランキングでも上位に名を連ねた。
オープンから1年以上が経過した今日においても、平日であっても、常に長蛇の列ができる人気ぶりだ。
そんな『中華そば四つ葉』の人気の秘密は、現状に満足することなく、絶えず味に改良を加え、食べ手に寄り添った1杯を創作しようとする志の高さにある。。
画像は、同店の2大看板メニューである「蛤そば」と「四つ葉そば」であるが、まずは、その顔だちをじっくりと御覧いただきたい。
ここまで、視覚的に美しい1杯を、見たことがあるだろうか!
最も目を惹くチャーシューは低温処理が丁寧に施され、その色合いは鮮やかな桜色。
スープと接触すると色が変わってしまうという理由から、薄くスライスし立体的に盛り付けることにより、スープとの接地面積を極力小さく抑えている。
こういう「魅せ」方の演出も、オープン当初から進歩を遂げた点のひとつだ。
もちろん、スープのクオリティも尋常ではない高さ。
「蛤そば」には新鮮なハマグリを大量に使用することで、食べ手にありったけの磯の香りを届け、「四つ葉そば」には「比内地鶏」「青森シャモロック」「天草大王」の丸鶏を惜しげもなくブレンドすることで、鶏が持つうま味とコクのダイナミズムを見事に表現。
ここまでギミックの粋を凝らしながらも「まだまだ発展途上です」と首を垂れる店主。どこまでも謙虚な姿勢に、こちらこそ頭が下がる思いがした。
今後、同店がどこまでの進化を遂げ、どのような影響を全国のラーメン店に与えてゆくのか。当分は、その動向から目が離せそうにない。