営業は僅かに週4日、県内外のラーメン好きが常に行列をなす、透明な豚骨スープの魔力!
福岡市内から、車で約1時間ほどの所に位置する、飯塚市の中心部ながら看板はなく、言われなければラーメン屋とは気付かない店舗。
ネット上では、開店11時と記されているのですが、我先にと行列の先頭を目指して早い時間から並び、それが過熱して9時ぐらいから並ぶファンも多く、店主も仕方なく前倒しに開店されている状態です。
ラーメンは並盛りか大盛り、併せて30杯がこの店の仕込みでは精一杯との事で、替え玉もなく必然的に大盛りを注文率が高いことも、この店の特徴と言えるでしょう。
ラーメン650円・大盛り750円・ご飯100円のみ、チャーシュー麺すら存在しない潔い商品構成で、後のお楽しみ用にご飯とのセットが定番メニューです。
とにかくご覧通りで、透明でうっすら琥珀色のスープは豚骨のみで、低めの温度でじっくりと白濁しないように炊き、抽出したスープの上澄みだけを使って提供しています。
福岡の豚骨と言えば、極細の麺をカタで茹でたイメージが全国的で、中には「ハリガネ」や「粉落とし」など、カタよりも短い茹で時間で頼む方もいますが…
地元の放送局がラーメン特集番組で、福岡県内の製麺所の店主50人へのインタビューで、「ハリガネ」や「粉落とし」は美味しいのか?と尋ねられ、半数ぐらいの店主が「不味いです…、腹こわします!」と、苦笑いしながら答えていました。
いかに極細麺といえども、15秒~30秒しか茹でないとなれば芯は残ったままで、サクサク食感を楽しむぐらいでスープとの絡みや、ツルッとした喉越しなど全く無縁であり、私個人としてもお勧めできない注文です。
しかしここ『来来』の店主は、久留米ラーメンの流れを汲む佐賀ラーメンが大好物で、それ系のヤワめに茹でた中細麺で提供してくれます。
しっかりと火が通され、表面のグルテンが茹で釜に流れ落ちることで、麺本来のポテンシャルがきちっと引き出され、つるっとした食感とスープを持ち上げる醍醐味を、頂くことができる1杯に仕上がっています!
チャーシューは、部位の違うものが2種類浮かべられ、それぞれの味わいを楽しめる趣向で、薄切りながらも枚数はご覧の通り多めで、ご飯を頼んで肉飯で頂くファンもいるほどです♪
私が通い始めた数年前は、表面に小さな海苔とネギが浮かんでいましたが、店主の味への拘りと引き算の美学から導き出した答えが、このビジュアルそのものなのです!
ここまで読むと、変わり者の店主だと感じる人もいるかも知れませんが、40半ばの細身で優しい口調で話してくださる方で、漫画家としても活躍する某芸人さんに似ているとネット上でも評判で、正直、私も似ていると思います(笑)
ラーメンは勿論のことながら、県の内外を問わず蕎麦やうどんの経験値も高く、店主の人柄が好きで通っている女性客もいる程です!
また、この店のもう一つのお楽しみが入り口脇にある、名刺半分ぐらいの大きさで手書きの日替わり屋号で、これも見逃せないポイントです。
店主がご贔屓する「佐賀」を使った物や時事ネタ、またその日の気分や意味不明な物あったりしますが、この札が下がっている時は営業している証でもあります!
駐車場はなく、近隣のコインパーキングに停めてから行列に並んで、後はひたすら店主から呼ばれるまで待機ですが、1時間近く待つこともあります。
また、せっかく待っていたとしても、それまでの先客が大盛りばかり頼んでしまえば、麺が品切れで予定より早く店じまいとなり…
私もこれまでに、目の前で店主から「すみません、売り切れてしまいまして…」と言われ、諦めて帰った経験が2回ほどあります(笑)
常連であろうとも、そこは他のお客さんと同様に扱われますので、ここに行く日はしっかりと用を足して、並ぶ覚悟をしてから自宅を出掛けております!
紹介しているお店はこちら!
店名:来来(らいらい)
住所:福岡県飯塚市片島1丁目3-38
営業時間:営業中の札が掛かっていれば(スープが無くなり次第終了)
定休日:月曜・木曜・金曜