料理の味、名物メニュー、コスパ、店員さんの立ち居振る舞い…… 素敵な飲食店には、「売り」があります。
そんな分かりやすい「売り」も素敵ですが、私がお店選びで特に大切にしているのが、そのお店に流れている空気感。 そこに座っているだけで心が安らぐ、提供される料理がなぜかもっと素晴らしいもののように思える。なかなか言葉では伝えにくいそういう空間にたどり着くことができるとなんだか嬉しくなってしまいます。
北区・中津の「COVOJEAN」はそんな空気感が素敵な蕎麦を提供するお店です。
最近、少しずつ素敵な雰囲気をもったお店が増えている中津一丁目。架線工事が続くJR線沿いのお店です。
店舗は線路側から見るとテラス席が見えてカフェバーのように、反対側から見ると雑貨店のような造り。控えめな表示がなければとてもそば屋さんには見えません。
店内もアンティークなカウンターや、木製の机や椅子が素朴な落ち着きを感じさせるスペースになっています。
その中で流れるのは穏やかなジャズ。店主さんがジャズトランペッターで「手打ちそばとお酒と音」と銘打っているように、夜は音楽イベントも開催しています。
鴨そば(1,100円)+ごはんセット(300円)
二八か十割かと尋ねられて悩みましたが、十割で。
ご飯セットがとにかくお得です。
お蕎麦屋さんのだし巻き玉子、鶏南蛮、ちょっとお野菜。ご飯には肉味噌。
いやーいいですよね。ランチからこのぜいたくな感じ。 お酒が飲みたくなるようなアテになるおかずで、だし巻き玉子は本当に出汁の風味がじゅわっと味わえるお蕎麦屋さんらしいもの。
お蕎麦はいい意味で十割っぽくない香りものどごしも素敵なもの。
鴨はきちんと焼き目を入れて、その香りは最高。少し甘めのつゆにちょんとお蕎麦を浸していただいていると、それだけでなんだか満足感が得られます。
もちろんそば湯もちょうど良いタイミングで提供されます。さらっとしたそば湯ですが、鴨の脂でうま味がアップしたつゆにはぴったりです。
訪問したのはランチタイムが終わったくらいの時間で、本当にゆっくりと「手打ちそばと音」を楽しめました。「酒と」はまた今度に。