石垣島は沖縄県の県庁所在地である那覇市から南西に約400キロ離れた場所(東京からですと岐阜県くらいまでの距離)に位置しており、日本の代表的なダイビングポイントにもなっている事から年間をとおしてスキューバダイビングや海水浴等で訪れる観光客も多く、透明度の高い綺麗な海を始め、本州では見られない星空、南国特有のグルメなど、たくさんの魅力に溢れています。
今回はそんな中でご当地麺で有名な八重山そばからラーメンまでそれぞれの個性豊かな美味しいお店を10店舗ご紹介したいと思います。
1.石垣島で人気の絶景スポットである川平湾にある食堂『川平公園茶屋』
川平湾が一望出来る川平公園内の展望台手前に位置したお店は、ダイバー観光客がひしめく場所にあり、店内の奥に7部屋ほど用意されている宿も兼ねた食堂です。八重山そばを筆頭にソーキそばやチャンプルーにカレーライス等のメニュー等もあります。
「八重山そば」は、豚骨をベースに鰹出汁を効かせた沖縄そばと似た様なものだが、使用されている麺が異なり、丸断面の柔らかくしたちゃんぽん麺の様な麺を使用されているお店が多い。
沖縄そばの老舗においては、小麦に塩水、かんすいの代わりに灰汁を代用して作られた、木灰そばと呼ばれる麺が用いられており、形状は太めで不規則にねじれた饂飩の様な形と歯応えの強い食感の麺が特徴。最近は大量生産する為にかんすいを使うお店も少なくはない。
凄くあっさりと優しい味わいのスープで柔めの麺がスルスルと入る。また、このお店の蒲鉾の形。石垣島の形をしているのがとても印象的でした。
紹介しているお店はこちら!
2.日本百景にも選ばれた川平湾の絶景を見渡せる素晴らしいロケーション『ポーザーおばさんの食卓』
石垣島の北西部で於茂登岳の麓にある高台に位置し、日本百景にも選ばれた川平湾が海一面の絶景を見渡せる素晴らしいロケーションであり、開放感溢れる店内からもですがテラス席も含め、パノラマオーシャンビューで食事をしながら楽しめる食堂です。
メニューはヤンバレ牧場牛を使用したハンバーグに石垣牛カレーや定食に郷土料理等、豊富な品数で食後のデザート等もあります。
こちらの「八重山そば」は、澄んだ豚骨スープに鰹の効いた優しいお味の出汁で麺も柔らかい食感のちゃんぽん麺っぽいものを合わせている。
具材は蒲鉾ではなく練り物と短冊状に刻んだ甘辛く炊いた豚肉で、これもまた美味しい。最初の公園茶屋でいただいた時との比較で言うと麺は此方の方が少しコシがあるけど、この優しいスープに適しているのはどちらもよい感じで甲乙付け難い。
3.おばぁが営む、昔ながらの沖縄の家庭的な雰囲気が漂う食堂『知花食堂』
石垣島随一のシュノーケリングパラダイスである米原海岸と八重山ヤシ入口の間に位置する食堂で、80歳を超えた元気なおばあちゃんが一人で切り盛りされています。メニューはそば大・小にみそ汁・焼きそば・トーフチャンプル(定食)・ライスのみ。で、とにかく価格がリーズナブルなんです。
「そば 大」を注文したが、そのトッピングは甘辛く炊いた豚肉・卵焼き・蒲鉾・紅生姜・おろし生姜と価格に反して随分と贅沢で華やかなトッピングが乗っている。出汁の味わいは割と薄めではあるが生姜の独特の味と刺激がスープをしっかりと引き立てており美味しい。麺は平たい麺を使っており歯応えも良い。それでいてこの450円は、驚愕な安さです。
4.昭和感溢れるディープな雰囲気を楽しめる八重山そば『メンガテー』
石垣の飲食店が立ち並ぶ中心街のちょうど中央に位置しており、一見スナックの様にも見えるディープで昭和の雰囲気が漂う店内は、40年以上続く人気の老舗おでん屋さん。夜営業のみで夜中の3時まで営業をしており、呑んだ〆で利用される方々が多い様です。
メニューは単品テビチ・おでん盛り・八重山そばに、瓶ビール・泡盛と潔い構成です。
出汁は鰹等の節系は入っておらず豚骨主体だが、テビチも出汁採りに使われているのか、動物系由来の旨味に深みがあってとても濃厚な味わい。丸断面の太麺はもっちりとした歯応えのある食感で旨味あるスープをしっかりと運んでくれます。具材は甘辛く炊いた三枚肉に刻み葱と蒲鉾とシンプルではあるが、とてもよく出来た一杯です。
紹介しているお店はこちら!
- メンガテー
- おでん
※このお店のページは現在ご利用いただけません
5.地産地消を強く意識している行列必死の大衆食堂『味処 のりば食堂』
石垣島産食材にもこだわり、地産地消を強く意識している大衆食堂で朝は8:00から営業しているが、そばが売り切れると早仕舞いする為、夜を待たずに閉店の現状が続く、行列必死の老舗人気店です。メニューはそば類・一品料理・定食やセットメニュー・ドリンク類等、品数が非常に豊富です。
今回はお店の看板人気メニューでもある「そば定食」をいただいたのですが、そばにジューシー(豚の炊き込みご飯)・お刺身・小鉢・香物がついて800円と、かなりリーズナブル。お出汁は豚骨を軸に節系を合わせたあっさりスープも飲みやすく、特筆すべきは黄金色をした同店のオリジナル麺。石垣島天然の恵みである『ウコン』を練り込んでおり、風味はさほど強くはなくもっちりした歯応えで美味しく体にも良い特注麺。
三枚肉も石垣島産の神村養豚場から直送の豚を使用。甘辛く歯応えもあって非常に美味しいです。
子育て支援にも力を入れておられ、毎月第二・第四土曜日、17:00から19:00までの2時間の間で『石垣島 こども&じぃ~じぃ・ばぁ~ばぁ食堂』として特別営業をされています。(一般の方は入れません。)こういったところに地元愛を凄く感じてしまいます。
紹介しているお店はこちら!
- 味処 のりば食堂
- 飲食店
※このお店のページは現在ご利用いただけません
6.ふわふわのゆし豆腐を使った八重山そばが絶品『とうふの比嘉』
市街地を北上すると、周辺を見渡す限りさとうきび畑一面という場所に位置するお店なんですが、沖縄ゆし豆腐や島豆腐等がいただける石垣島の人気豆腐店。豆腐店としては創業されてから約70年ほどだが、この食事処を始めたのが約13年ほど前からだそうです。また、同店では事前予約をすれば豆腐の手作り体験等も出来たりします。
此方の「ゆし豆腐そば」ですが、ベースは鰹出汁でそばは勿論の事、豆腐が意外な組み合わせが凄くマッチングしています。ゆし豆腐とは豆乳ににがりを入れただけで固める前の柔らかくてふわふわしたおぼろ状の豆腐の事を言うのですが、すり潰した大豆を生のまま漉して煮るため、大豆の味わいがとても濃厚で絶品です。
量もおおよそ1丁分は入っているので、お腹も満たされますし、とてもヘルシーな一杯です。添えられた豆乳も生暖かく甘くて大豆の濃厚な味わいがし、美味しくいただけました。豆腐屋さんだけに朝は6:30から営業しているので、朝食としていただくのがオススメです。
紹介しているお店はこちら!
7.八重山そば選手権のオリジナルそば部門でグランプリを獲得した「牛そば」が絶品『あらかわ食堂』
石垣島の中心街からは近く、具志堅用高記念館のすぐそばに位置する此方のお店は、牛汁や牛そばが地元の方々の好評を博しており、八重山そば選手権2017のオリジナルそばでグランプリを獲得された実力店。
直近の石垣島では牛そばがブームになっているそうですが、その中でも抜きん出て人気がある食堂です。
此方の「牛そば」ですが、野性味溢れる牛の香りが立ち、少し濃いめの醤油味と生姜の風味が効いた濃厚な牛の旨味が詰まったスープ。麺は丸断面である八重山そばのストレート太麺を使用しており、コシのしっかりとした歯応えのある麺です。
ホロホロと柔らかくて甘辛く煮込んだ牛肉がてんこ盛りに乗っており、白ご飯との相性も凄く良さそう。全体的には濃いめの味付けがされた一杯です。
紹介しているお店はこちら!
8.全てに対してこだわり尽くした八重山そば『島そば一番地』
石垣市役所の向かいに位置する此方のお店は、保存料や化学調味料を一切使用せず、島豚を贅沢に使用したスープで、麺も大量生産が出来ない自家製の麺を使い、独自のレシピで味付けした島豚のソーキや三枚肉。八重山そばでは香辛料によく使用される『ピパーズ』というヒハツモドキの実を蒸して乾燥させて粉末にした島胡椒に至るまで自家製という、全てに対してこだわり尽くした八重山そばを提供しているお店です。
こだわりの「島そば」ですが、天然調味料として石垣の塩に、島豚骨や肉から採った無化調仕様のスープと、一般的な丸断面のストレート太麺では無く、平打ちで薄い色をした自家製麺を合わせており、コシが強く啜り心地が良い。
天然由来の優しくも滋味溢れた八重山そばは最後の一滴まで飲み干せそうな体に優しい一杯です。自家製のピパーズも食べ始めてから半ばで振りかけてみたが、エキゾチックな甘い香りとスパイスな香りに辛味を控えた島胡椒で、これが意外にヤミツキになりそうです。
紹介しているお店はこちら!
9.県内外から多くのお客が訪れる八重山そば専門店『八重山そば処 来夏世』
市街地中心部から坂道を北上した位置にあるお店は、古民家を改装した、木目調と白壁を基調としたとてもお洒落で落ち着ける様な佇まいです。『来夏世(くなつゆ)』という屋号は五穀豊穣に感謝し祈願するという意味を表すそうで、地元の方々に聞く「この辺りで美味しい八重山そばといえば??」の質問で必ず候補に挙がっており、県内外からも多くのお客が訪れる行列必死の人気店です。
メニューは、八重山そばの大・中・小に、じゅーしー(炊き込みご飯)・赤米に飲み物類となります。特に「じゅーしー」は同店の人気メニューの様で、お昼過ぎには売り切れてしまう事も屡々だそう。
透き通ったお出汁は主軸となる豚の旨味が分厚く、塩気もしっかりとして全体の輪郭がくっきりとした味わい。それでいて後味がすっきりとしており、この力強さを感じるお出汁がなかなか美味い。
コシのしっかりとした歯応えのある麺は、八重山そばの王道でもある『金城製麺所』謹製のストレート太麺。具材は、八重山蒲鉾・細切りの豚肉・島ネギと八重山そばの定番で、ひとつひとつがちゃんと美味い。地元の皆様が口を揃えて美味しいと言っていた理由が分かった気がしました。
紹介しているお店はこちら!
10.本当に出会えて良かったと思えたハイクオリティーの牛骨ラーメン『石垣中華そば ウシのカドデ』
最後のトリは此方のお店。石垣島の中心街に位置した飲食店が集う『石垣島ビィレッジ』内に構えている。同店は、東京生まれで東京育ちの店主さんが営んでおり、東京の某有名店で腕を磨いた後に、憧れの石垣島でゆったりと自分のラーメン店を立ち上げたいという夢を叶えたのですが、それが約3年前の事。現在も、石垣島ではあまり馴染みのない牛骨ラーメンで勝負しております。
石垣牛の骨を軸に鶏で支えた清湯スープは、牛脂からの香ばしい香りが立ち、あっさりながらも牛由来の甘味や旨味がしっかりと感じられる牛骨スープ。高級な石垣牛を使用している事もあるのか独特なクセや臭みが一切ないクリアな味わいで、アクセントとなる刻んだシャキシャキの玉葱がすっきりと口内をフラットにしてくれます。麺は、『金城製麺所』謹製の特注麺。
八重山そばを好む地元の方に合わせたという特注麺は加水が低めでパツンとした歯切れの良さとのど越しの良さを兼備したこだわりのある麺。歯応えのしっかりとしたチャーシュー、ふわふわとした弾力のあるつくね、ぷるんとした白身を割るととろりとした黄身がとっても濃厚な半熟卵と、それぞれの具材にも隙無しの美味さと、クオリティの高い一杯でした。
紹介しているお店はこちら!
店名:石垣中華そば ウシのカドデ
住所:沖縄県石垣市美崎町8-9.8-10
電話番号:090-7849-5062