昭和の古き良き懐かしい構えをそのままに営業するホルモン『きらく』
大阪で美味しいホルモンを食べると言っても、色んなスタイルがあるからなぁ。
みんな、どんな店に行ってみたいんだろう。焼肉店でホルモン、もつ鍋、立ち飲み・・・んー、せっかくだし、今回は、雰囲気もホルモンも、いかにも大阪らしいお店を紹介してみようかな。
JR環状線新今宮駅のすぐ南側、南海電車と阪堺電車に挟まれた萩之茶屋エリアにやってきた。西成の中でもあいりん地区と呼ばれる、そのど真ん中。
住宅街というよりは、簡易宿泊所やアパートが林立する、その中に・・・なんだろうな、昔の日本って、みんなこんな感じじゃなかったのかなぁ、という佇まいがぽつんと。昭和の古き良き懐かしい感じがある一方、そうは言ってもなかなかの構えなので入りづらい気持ちが一方(笑)
『きらく』だ。
中に入ると、赤い丸パイプ椅子等、大衆食堂な雰囲気が満載。カウンターが6席と、4人掛けテーブル席が2つに、2人掛けテーブル席が1つ。
何屋なのかというと、居酒屋ではないんだよね。
メニューなんだけど・・・酒は、ビール・焼酎・日本酒が揃っているんだけど、あとはシンプルにホルモン単品と、ホルモンが入った麺類(うどん・そば・中華そば)のみだ。
酒は飲むんだけど、先に腹ごしらえを。
「ホルモンうどん」を一玉でいただこうかしら。奥にいる店のご主人に、少し大きめの声で「うどん下さーい」と発注。
「うどんな」と確認をすると、てぼにうどん玉を投入し、釜湯で器の温めが始まる。
うどんとダシが入ったところで、別の大きな鍋からホルモン煮込みががっつりのっかる。上から青ネギを散らしまして。
「はい、おまたせ」
「ホルモンうどん(300円)」
まずのところ、ダシが美味い。
比較的醤油しっかりで、酒飲みには嬉しい塩味のある仕上がりなんだよね。うどんの上に盛られているホルモン煮込みそのものも甘くないので、飽きが来ない。ホルモンから出る脂がダシに溢れ出し、少しオイリーな感じと、甘みやコクがでてくるんだよね。
ゆで麺は、気持ち細めでずるずるっといけちゃう。
店内には、ご主人がラジカセで流す沖縄民謡が流れている。
店のご主人も静か、客も静かでのーんびりした時間が妙に気持ちいい。
目の前には、もくもくと湯気があがる茹で釜があり、ここに外向が差し込む。
讃岐うどんを香川に食べに来た感覚になる、アットホーム感がたまらない。
さて、第一部終了。
うどんを平らげたところで、酒をもらうか。
すると、店のご主人曰く、
「え?今から酒飲むんかいな。先に飲んでから、うどん食べるんやろ」
「空きっ腹でお酒飲まれへんから、先にうどんやねん」という話をすると、
「そーかいなー、有難うなぁ」と、追加注文の準備にかかってくれる。
酒は「焼酎(250円)」にしたんだけど、グラスになみなみ。
ストレートかよ(笑)
でも、こういうところも、この店の「らしさ」が出ていて好きだな。
先にうどん食べておいて良かった・・・
「ホルモン(120円)」。
ホルモンは小皿に盛りっと。
味はさっきのうどんで分かってますよー、やっぱり美味いな。
味噌仕立てで甘いもつ煮込みもいいんけど、こういう塩味のある味付けの方が好きかも。
好みで一味唐辛子もどうぞ。韓国の唐辛子かな、そんなに辛くないやつだ。
このホルモン煮込み、てっちゃんやフワあたりがじっくり煮込まれている。
さっきのうどんを食べている時から思っていたんだけど、ホント全然臭みないわー。
ストレート焼酎に、この美味いホルモンを肴にちょい呑みで370円とは泣ける。
何も着飾らない、地元の人達に愛されるホルモン。
気になる人はぜひ。