関西のいま食べるべき一杯。
今回は新進気鋭のお店ではなく、様々な理由で「いま食べておかないと後悔する、もう食べることができなくなるかもしれない関西の名店」をピックアップ。このためだけに兵庫、大阪、奈良に訪れる価値がある一杯です。
1.ラーメン河
ラーメン河(奈良県吉野郡)
尼崎から片道2時間ほど。
この日は高齢の親父さんのワンオペ。
年齢的にも、いつまで続けるか、セカンドライフを選ぶ日もそう遠くはない…と通い詰めるファンならずとも頭をよぎるお店。
今のうちに必ず食べていてほしい文化遺産的な一杯。
高速を降り、国道ながら空いてる田舎道をひた走り、やがて車もすれ違うのが困難なほど細い川沿いの道に入り、その途中にお店はあります。
11:30オープンのお店に11:45到着。
外にはチラホラ6~8人程度のお客さんが待ってます。
ふぅ~やっと着いた。
待合の用紙に名前を書いて待とうとしたら、店主さんが出てきて…
『…足りるかなぁ。ごめんなぁ、もうなくなるかもやから…』
え?おい!ホンマか~?!
オープン15分のまさかの宣告!その言葉に戦きながらも期待を込めて待ちます。。。
後客も絶えず10名以上来てたけど、12時過ぎには閉店の看板が出て何人かは帰ってました(^^;
そして、なんとかありつけた至極の、いま食べるべき一杯がこちら!
ラーメンまぐろ丼セット 1500円
まぐろ丼は残っていればマストでお願いします。
まずは、ラーメンから。
黄金のスープに鮮やかな黄身のオレンジが映えワカメの緑が補色となり、ビジュアル的にも素敵な一杯♪
スープは動物系の旨味の中に白菜由来かな?甘さが嫌らしさなく印象的な味。こざっぱりとしつつ、しっかりとしたコクを備えたもの。またブラックペッパーのようにピリピリっとした味わいも少しありましたね。
ひと口飲み、さらにひと口。
旨味が相乗的に増していく仕上がり♪
少し柔めの優しい茹で加減。ニュルっとした舌触りでスープもしっかりと纏い旨い。
お店の雰囲気と相まって懐かしさすら感じる味わい。
麺の量も割と多目で腹の満足度も高い(^^)
『今日のチャーシューは失敗作だよ~』と冗談めかして語る親父さん。
いやいや、大丈夫。めっちゃ旨い笑
分厚くて脂身も多目やけど、まったくしつこくなく肉の旨味しっかり。
煮玉子も甘めの味付けで、これも癖になるわ~(^^)
元寿司職人の親父さんによるまぐろ丼の飯は、ちょうど良すぎる案配の酢飯!
酢飯て、もうこれだけで旨いやん!
ぶつ切りのまぐろがゴロゴロ入ってて、たまらんわ!
わさび醤油に海苔というシンプルな構成やけど、飯とネタの旨味が際立つわ~。
ぜひ、実食を!
紹介しているお店はこちら!
- ラーメン 河
- ラーメン 近鉄吉野線 吉野神宮駅 徒歩11分
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2.淡水軒
淡水軒(神戸元町)
Aセット 1,100円
+100円でワンタンをトッピング可能(ワンタン麺になります)。
トゥルントゥルンのワンタン。餡も控えめながら肉の旨味ピシッ!と伝える。
サッパリってこういうことね、って見本みたいなスープやね。
あれ?俺、飲んだっけ?くらい自然に体に馴染むわ~^^
細麺は平打ちで乾麺チックな風合い。
スープ吸いまくってジュルズル~っと束ごと啜る。
麺量もなかなかあるね~。
固めのチャーシュー、茹でモヤシがしっかり脇を固めている。
セットの水餃子はチュルっと酸味溢れるタレでいく。
ぶ厚いボディでモチっと噛み応えある皮に味噌ダレを絡ませまくって頂きます。
これ確実にビールやな( ´∀`)
すれ違い不可な、めっちゃ狭い店内は出入口2方向で対応。
一部SNSでは今年(2018年)の3月までで閉店とか、まことしやかに囁かれているが、おばちゃんに聞いたところ、平成33年(2021年)まで頑張るよ、とのこと。
高架下の立ち退きが順次始まってるだけで、まだまだ営業頑張りますので、お間違えなく!とのこと。
この場所で味わえる一杯を今のうちに。
ぜひ、実食を!
紹介しているお店はこちら!
- 淡水軒
- ラーメン店
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3.とっかり本店
とっかり本店(大阪府摂津市)
2017年の10月をもって麺場から姿を消した大将。ご高齢だし、致し方なしだが味は受け継がれている。
ただ、大将の姿はない。
しかし、未だ現役にこだわり製麺はしているとの事。
関西で自家製麺を広げるきっかけを作るなどした草分け的存在で、関西老舗ラーメン店を語るうえで欠かせない名店として、ぜひ、いま食べておくべき一杯としてご紹介したい。
復刻版ラーメンしょうゆ 850円
創業当時のレシピを”復刻”した一杯。
ラードで覆われた漆黒のスープは関西では珍しい「旭川ラーメン」
アッツアツのスープは見た目と反してあっさりした風合い。醤油のフレーバーがしっかりとしたファーストインパクトで、その後すぐに心地よい酸味が味覚を刺激し駆け抜ける仕上がりで、これは中毒性抜群でウマい!
大将お手製の自家製麺は中太縮れでもっちもち。スープでお化粧した麺は日焼けした小麦色。スープの旨みと麺の旨みを噛むほどに、しっかりと伝えてくれる。
くたっとコリっとしたメンマに、味付け、厚み共に薄めのチャーシューはスープを纏って仕上がる味わい。
ねぎの苦みや清涼感が酸味溢れるスープにアクセントを持たせ実にイイ。
大将の作る一杯は恐らくもう食べれないが、しっかりとお弟子さんに引き継がれている。
ご高齢の大将が作る自家製麺、いま食べるべき一杯としてご紹介しておく。
ぜひ、実食を!