行きつけのティールームの女性店員さんとお話している時に、素敵なお店を教えて頂きました。
通りに面したお店と違って、ちょっと入りにくいのが一本脇道にはいったお店、さらに入りにくいのが雑居ビルで営業されているお店……なんですが、今回教えて頂いたお店は正にそんなところにあります。
飲食店に挟まれた雑居ビルの奥まったところで営業されている「ソラマメ食堂」さんです。
こちらのお店は元々は日本酒メインの立ち呑みとしてオープン。現在のお店に移転された際に、玄米ランチと日本酒のお店になったそうです。
夜は日本酒とアテをいただけるようですが、ランチタイムは予防医学食養生士で和学薬膳博士の店主が、身近な食材で手軽に取り入れられる薬膳料理ということで、定食メニューを提供されています。
日替わりの「養生ごはん」はコロッケだったり、ハンバーグといったメニューにきのこあんをかけてみたり、やはりちょっと工夫されているのが好印象。毎日行っても日替わりメニューでいっても安心できそうです。
その他にも定番メニューが3種類。「鶏胸肉と高野豆腐の竜田揚げ」「鮭の味噌漬け焼きごはん」「鶏つくね入り薬膳スープごはん」。どれも魅力的ですが、一回食べてさっそくはまって、2週間後にもう一回食べに行った「鶏胸肉と高野豆腐の竜田揚げ」をご紹介します。
鶏胸肉と高野豆腐の竜田揚げ(¥1,000)
薬膳スープご飯以外の定食はメインのおかずに2種類の小鉢惣菜と椀物、サラダ、玄米のご飯とお味噌汁という構成です。
小鉢の惣菜はどれも味付けが優しく、甘すぎたり辛すぎたりすることはありません。豆と切干大根に昆布を刻んだものが入ったものは見た目は地味で、出汁と醤油の味がするのかなと思っていたら、ほのかな酸味があり、常備菜として家に持って帰りたくなるような落ち着く味でした。
初めて食べに行ったときは「あ、デザートまでついてるんだ」と思って、最後に食べて混乱してしまった冷製茶碗蒸し。クコの実が添えてあるんだから気づけよって話ですが、こちらも出汁の香りがすっと口に馴染みます。
メインの鶏胸肉の竜田揚げは、塩麹で下味をつけており肉は柔らか。
竜田揚げそのものがおいしいんですが、それをさらにおいしくしているのが特製の黒酢甘ダレ。タレには山査子、陳皮、クコの実と胃腸に優しいといわれている生薬を配合しています。意外なほどにフルーティな酸味が竜田揚げに合っています。
そして、なによりお薦めしたくなる一番の要素が高野豆腐の竜田揚げ。精進料理などでは鶏肉のように使われる高野豆腐ですが、鶏肉と食べ比べてみても全く見劣りしません。黒酢甘ダレにも合っていて、鶏の竜田揚げとは違った魅力があります。
3種類の野菜を1時間以上じっくりと煮てうま味を出した減塩のお味噌汁。国産のうるち米と餅米をブレンドしたお替わり可の玄米ご飯と、黒豆茶かな……お茶も体に良さそうな最初から最後までほっと落ち着く定食です。ランチタイムは女性だけでなく、男性も結構来店しているので、おひとり様でも安心して伺えそうです。
店内では薬膳茶や薬膳菓子も販売しており、夜は日本酒と薬膳アテも楽しめるとのこと。ランチだけでなくふらっと行ってみたいなぁ。