創業60年を超える阪神野田の大衆酒場「お多福」
近頃は、バル形式をはじめ小洒落たお店も色々出来、大阪でも朝酒・昼酒がしやすくなったのではないかと思いきや、いざ、「昼酒するぞーっ」と店を探してみると、案外と目新しい情報って飛び込んでこないんだよなぁ・・・いや、正確にいうと、目には飛び込んでいるのかもしれないけど、やっぱり、C級呑兵衛としては、お洒落はいらないし、奇をてらわず落ち着いて静かに飲める店がいい。
今回は阪神野田にやってきた。
阪神野田って書いた段階で、「あっ、あの店ね」となるくらい有名なお店なんだけど、昼酒客を温かく迎えてくれるザ・大衆酒場を紹介しないわけにはいかない。
阪神野田駅の南側、交差点の向こうに「新橋筋商店街」の入口が見える。アーケード商店街なんだけど、いつも活気があるんだよね。ここを入って最初の四辻にくると、右手に見えてくる。
「お多福」だ。
年季入りまくりの構え、もう営業を始めて60年は超えている老舗の大衆酒場だ。
昼酒とかいいながら、15時くらいからオープンする店もあるけど、いやいや、昼酒いうたら正午には開店しとかんと(笑)
「お多福」は平日でも正午開店、土日に至っては朝10時から営業開始という、もう酒飲みの聖地ですな。
中に入ると、厨房を囲む形でコの字のカウンター。どうだろう、15人入れば満員御礼のキャパかな。下段は鶯色のレンガ調タイル、上段は木板張りの壁。店内奥には、一升瓶とともに招き猫をはじめ縁起物が棚に並ぶ。茶色いカウンターに赤いパイプ椅子・・・これぞ昭和な空間がテンションを上げる。店内右手からL字で折れて入口側少しまで、カウンターに冷蔵ケースがあり、色んな惣菜が上下2段で並んでおり、注文してもらうのを今か今かと待っている。
ビール(大瓶440円)もいいんだけど、ここは酒にするかな。
常温をお願いすると、冷蔵ケースの上にコップが置かれる。足元から茶色い一升瓶が登場し、とくとくと酒が注がれる。ナミナミありがとうございますー
冷蔵ケースにはなかったんだけど、「お造り何かありますか?」と訊いていみると、まぐろとタコがあるということで、まぐろを発注。すると、まな板の上にドカンと大きなまぐろ切り身ブロックが登場。そこから手際よくカットされた赤身がやってきた。
あっさりなのに、このねっとりしっとり感と・・・どこからともなくやってくる旨みがたまらんな。
酒は260円。
銘柄指定しないお酒って大手メーカーの清酒が出されることが多い中、
この店では清酒「大盛力」を出す。力強い墨文字で書かれたラベルが男前、これぞ日本酒的な面構え。
コップに注がれると、淡い黄色なのが分かる。口に含むと、濃醇しっかりめ、まろやかな甘味を感じつつも最後にはヒリリと辛味がやってくる。日本酒飲んでますーって感じ。
和歌山は岩出市、吉村秀雄商店が扱う酒ではあるんだけど、ご存知「車坂」などのオリジナルブランドとは異なり、もともと和歌山の別の酒蔵が醸造していたところを引き継いだ感じのようだ。
あれは、ポテトサラダかなぁ~
テレビの音声を右耳から適当に聞き流しながら、お兄さんが次から次へと惣菜を作っている手元を眺める。ちょうど、ぬた和えとポテトサラダが仕上がったであろうタイミングで、ポテトサラダを注文。
あ・・・これ思ったよりも酢がきいたポテサラだな。
きゅうりと人参をたっぷり混ぜた、しっとり滑らかなポテトがグー
ん?あ、ハムじゃなくて、キューブなベーコンも入ってるのか。
そして、豆腐(150円)。
湯豆腐と冷奴どちらでもできるんだけど、暑いから冷奴で。
もろもろっとした舌触りがええ感じ。
軽く立ち飲みレベルならもう十分なんだけど、お酒が美味しいからお替りして。
「・・・。」
さっきから妙に目が合うんだよな。冷蔵ケースの中で、妙に目立つんだよ・・・ていうか、惣菜の中に並ぶかね。鯛の頭焼き。
注文すると、冷蔵ケースから取り出しレンジで少し温める。
見た目よりも意外と白身があって、酒飲みにはいいアイテムだわ。しかも、この白身がいい塩梅の塩加減なところに旨みがジュワッと出てくる。
店の構え、店の主人も味のうち。
今回、お酒2杯に4品頼んだけど、しめて1770円と激安。
酒飲みの気持ちをくすぐる、老舗大衆酒場へぜひ~
紹介しているお店はこちら!
- お多福
- 居酒屋 大阪市営千日前線 野田阪神駅 7番口 徒歩1分
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