東側に隣接する佐賀県以外は周囲が海に囲まれており、島嶼の数は日本一。また海岸線の長さも北海道に続く第二位である長崎県は、魚介が豊富な県である。また異国の文化が目の当たりに出来る観光スポットも多い。今回は、そんな牡蠣や烏賊等の新鮮な魚介をたっぷり使ったちゃんぽん発祥のお店や長崎が生んだ大スターがこよなく愛するちゃんぽん。長崎市で出会った美味しいラーメン店等を厳選し、7店舗ご紹介したいと思います。
1. ちゃんぽんの発祥の老舗【中華料理 四海楼】
創業は明治32年で、長崎ちゃんぽんの発祥店です。ちゃんぽんは、明治32年に四海樓を創業した初代により考案されたもので、当初は「支那饂飩(しなうどん)」と呼ばれ、長崎に来ていた中国人留学生の為に上手くてボリュームがあり、栄養価が高く安価なメニューをと考えたのが始まりだそうです。
メニューは、ちゃんぽん・蓋付きちゃんぽん・皿うどんに炒麺・そぼろ皿うどんに、中華の一品料理に飯類・点心類となります。蓋付きちゃんぽんは、大正から昭和初期にかけて、ちゃんぽんの出前用として使われていた器を復刻した小盛のちゃんぽんです。
丸鶏に豚骨や鶏骨をベースとした白濁のスープは、まったりとした動物系からの深みあるコクでとってもクリーミー。これにたっぷり野菜からの甘みや海鮮類からのシーフード感満載の旨味が溶け込み、とても海鮮の濃厚で滋味深さを感じられる元祖ならではの唯一無二な味わい。
麺は麦粉に唐灰汁(とうあく)を配合した独特な風味を持つ、ツルツルとした麺肌の平打ち麺。割と柔らかめな歯応えながらも、もっちりとしたコシのあるもので、普段、口にする、ちゃんぽん麺とは全く異なり、これがまた美味い。
具材は真ん中に鎮座した錦糸卵に、キャベツ・もやし・青葱・豚バラ肉・海老・烏賊・蛸・蒲鉾・木耳と豊富で、海鮮類は一般的に入っている少ない量とは違い、結構な量が入った上、栄養価が確かに高そうな感じもしました。具材は鉄鍋で炒めているので、香ばしく魚介のエキスがしっかりとスープに広がっております。
外観は無彩色を基調とした豪華5階建ての建物でして、店内は広々とした開放的なスペースを持つ素敵な展望レストランになっており、ガラス越しから見る夕焼けの景色は長崎港から稲佐山までが一望出来るオーシャンビュー。家族連れは勿論、デートなんかにも使えそうな豪華でお洒落な雰囲気もとてもいいです。
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2.長崎新地中華街の老舗銘店【江山楼 中華街本店】
1946年、中国福建省出身の方が長崎市中華街の片隅で鍋ひとつ、テーブルひとつから始め、現在では長崎中華街の本店の他に、新館・浦上店・テイクアウトショップ懐玉堂・アミュプラザ等を含めた店舗展開をされている、中華料理の老舗銘店であり、人気のちゃんぽんを提供するお店です。此方の建て構えも、1軒目の四海樓同様とまでは言いませんが、高級中華料理店の様な造りで敷居の高い雰囲気があります。
メニューは、ちゃんぽんからバラエティー豊かなコース料理まで中華料理を軸とした豊富な品揃えです。中でも、ちゃんぽんは従来のものと特上ではベースのスープが同じでも、入っている具材の内容が異なる事から、ずいぶんと感じられる旨味に差があります。
特製汁景湯麺(王さんの特上ちゃんぽん)は、高級食材であるフカヒレがど真ん中に鎮座するちゃんぽんの豪華版で、ベースが円やかな口当たりの鶏豚骨白湯。具材はその他にも貝柱やイカに海老にあさり等の海鮮類や野菜などがふんだんに入っており、特にあさりが突出した旨味が立つシーフードフレーバー溢れる旨味が、動物系からのまったりとしたコクのあるスープと織りなすハーモニーを形成し、味わいに深みを持たせます。
白い麺肌をした加水低めの平打ちストレートは、柔めながらも、もっちりとした食感でスープの旨味をしっかりと持ち上げてくれます。
具材は、フカヒレ・烏賊・海老・あさり・貝柱・蒲鉾・ちくわ・魚のすり身・筍・野菜等の豪勢でボリュームのあるものです。この魚のすり身ですが、真っ二つに割ると肉あんが入っております。これ、すごく美味いです。
フカヒレは、見た目だけのものとしても、ベースのスープだけでもじゅうぶん美味しいのに、このふんだんに使った海鮮類のエキスがベースに融合した旨味溢れるちゃんぽんは、1軒目に戴いた『四海樓』@長崎市と双璧を成す、長崎ちゃんぽんの代表格ではないでしょうか。
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店名:江山楼 中華街本店
住所:長崎県長崎市新地町12-2
電話番号:095-821-3735
公式ページ:http://www.kouzanrou.com/
3.日本最西端の大勝軒【長崎大勝軒】
つけ麺の元祖である『東池袋大勝軒 本店』の立退きを機に長崎市にて暖簾分けされ開業した日本最西端の大勝軒です。一般的には中華そばやもりそばがメインである大勝軒ではありますが、このお店でしか戴けない限定メニューがあります。
食券制でメニューは、ぶたラーメン・ラーメン・ぶたカレーらーめん・もり和風・ぶたもりそば・特製もりそばに、替え玉につけ麺増量や麺増量・おにぎりに、激辛みそや特製みそ等の有料味変アイテムや、手作り餃子に有料追加トッピング類となります。
ぶたラーメンですが、150gものボリュームがある豚バラが、下の麺すらも見えない位に鉢いっぱいに敷き詰められた一杯で、ベースは豚骨に魚介を合わせた清湯醤油。ド真ん中におろし生姜が鎮座しており、仄かな酸味を持たせた魚介に生姜のさっぱりとしたアクセントのある、このお店オリジナルのものです。
お腹いっぱいに食べて欲しいという精神をお持ちであった創業者の意思を継いでいるのもあり、元々の並が麺量2玉に小が1玉というボリュームのある嬉しい設定になっております。今回は連食にも関わらず並をオーダー。自家製でエッジィな角断面の細麺は歯切れの良いさっくりと食感で、風味も味わえスルスルと啜り心地もいい。従来の中華そばとは使用する麺が違う様です。
具材は、豚バラ肉・刻み葱・海苔・おろし生姜です。豚しゃぶの様で、柔らかくて下味の付いた旨味のある豚バラ肉が凄く美味しいです。
今まで過去に戴いた大勝軒のものとは麺も含めて別格の一杯を味わえて心も胃袋も大満足。この寒い季節にぴったりのポカポカと芯から温まるラーメンです。
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4.いつも感動を与え、いつでも食べたくなる一杯を。【麺也 オールウェイズ】
いつも感動を与え、いつでも食べたくなる一杯を提供したい想いで名付けれた屋号で、此方の万屋店以外にも長与店やアミュプラザに店舗展開をする長崎市の人気ラーメン店です。
オススメのレモントンコツらーめんは、水と頭骨を丁寧に焚かれた豚骨スープに、レモンが5枚とたっぷりの葱を乗せ、胡椒が振り掛けられた爽やかなビジュアル。ベースの豚骨は軽やかな口当たりながらもコクのある味わい深さに、レモンの爽やかな香りや程よい酸味がさっぱり感を演出。豚骨の重たさを全く感じさせずにグイグイと喰わせてしまう、今までに戴いた事の無いさっぱりとした豚骨スープです。胡椒が全体を引き締めてくれ、シンプルな具材で上手くまとめあげてます。
麺は、風味豊かでエッジィな低加水の極細ストレート麺で、さっくりとした歯切れの良い食感で啜り心地も良く、旨味あるスープをしっかりと持ち上げてくれます。
レモンラーメンといえば、最初に食べたのが福島県に遠征した時のが記憶に残りますが、レモンの数が多過ぎて酸っぱ過ぎてイマイチの印象でした。ところが、今回戴いた一杯は、程よい酸味が豚骨にも合うという新しい発見に出会えました。とても、オススメです。
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5.かの超有名なアーティストも愛するちゃんぽん【思案橋ラーメン】
かの有名なアーティストである方が学生時代からの行きつけである、ゆかりのお店で、現在も帰省時に時折訪れているそうで、ファンのあいだでは長崎の『聖地』と呼ばれるスポットが点在するうちのひとつである。
チャンポンは、豚骨に鶏ガラを軸とした、とろみのあるスープで、今まで食べたちゃんぽんの中で最も動物系の濃度が高く、コラーゲンたっぷりのテロリとした質感で、円やかな口当たりです。海鮮類等の具材が入ってはいるが、豚骨の旨味が非常に濃厚で魚介の旨味は下支え程度とも思える程のTHE 豚骨テイスト。これは凄く美味しいです。
麺は、低加水の平打ちストレート麺。スープをよく吸った柔めながらもモッチリとした食感でスルスルと入ります。
具材は、豚肉・紅白の蒲鉾・烏賊・アサリ・キャベツ・もやし・木耳です。この日、ちゃんぽんを頂いてきた中では割と控え目な量ではあります。香ばしく炒められた野菜はシャキシャキ感を残しながらも甘味があります。海鮮類からの旨味は濃厚豚骨スープに深く寄与してます。
有名アーティストが絶賛のバクダンちゃんぽんは、ちゃんぽんのど真ん中に、おろしニンニクをラードで合わせたものが鎮座したパンチのあるメニューだそうですが、とても興味深い一品です。是非とも聖地にお立ち寄り、戴いてみてはいかがでしょうか。
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6.佐世保市屈指の人気老舗店【香蘭】
創業40年以上の歴史を持つ老舗で、お年を召された夫婦が営む、佐世保駅ビルのフレスタ佐世保ろくてん通りに位置した永きに渡り地元民に愛されているお店です。
メニューは、長崎ちゃんぽん・玉子入り長崎ちゃんぽん・長崎ちゃんぽんセット・長崎ちゃんぽん大盛・長崎皿うどん・手作り餃子・焼き飯となります。
長崎ちゃんぽんは、今まで食べてきた、麺が下で具材は上という仕上がりでは無く、野菜も麺も一緒に炒められて混在しており、麺もスープがしっかりと馴染んでいます。ベースは軸が太く円やかな豚骨白湯ですが、炒めた野菜や海鮮類等からのギュッと詰まったエキスが大きく寄与した深みのある味わいで美味しいです。
丸断面の中太ストレート麺は、スープをしっかりと吸いモッチリとした弾力のある麺で、昨日、長崎市で戴いた平打ち麺とはまた異なる形状です。どっちかというと食べ慣れてるのはこちらの丸断面の方ですよね。どっちも好きですー。
具材は、豚肉・海老・烏賊・木耳・蒲鉾・竹輪・キャベツ・もやし・人参・玉葱と豊富な具材で、スープに旨味が溶け出しており、野菜は香ばしくシャキシャキとしたしっかりとした歯応えでした。牡蠣が旬の季節には九十九島産の天然牡蠣を使用するそうですが、残念ながら伺った時期は秋。(涙)
ご年配夫婦が営んでいらっしゃるのですがこれからも是非とも頑張って続けていて欲しいですし、この冬の時期でしか戴けない牡蠣入りを是非ともオススメしたいです。
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7.庶民的な食堂で戴ける老舗のちゃんぽん【二代目 お富さん】
旧佐世保駅前地下街から佐世保駅周辺の改修工場により、移転された駅前の裏側に位置するお店です。過去に地下街で営業されていた時は、地下街の機密性が高い空間で豚骨出汁を引いていたので、その獣臭が漂う記憶が強いのが当時からの豚骨好きの地元民にとってはたまらなかったそうで今でも永きに渡り愛されている老舗店です。
メニューは、ラーメン・味噌ラーメン・チャーシューメン・ワンタン・ワンタンメン・ちゃんぽん・皿うどん・にぎりめし・めし・おでん・酒・ビール・ジュースとなります。メニュー表に記載通りですが、価格的にはずいぶんとリーズナブルです。
こちらも具材と麺が混在したものからか、一緒に炒めたものだろうというちゃんぽん。量が少な目ではある白濁としたスープは、豚骨をベースとしたもので割りと軽めに感じるが、程よい塩気に炒めた香ばしさや具材からの旨味がスープいっぱいに広がります。
麺は、モチモチした弾力のある歯応えで低加水のストレート太麺。麺も具材やスープと共に炒められているので具材と合わせながら啜ります。
長崎市で戴いたちゃんぽんと佐世保市で戴いたちゃんぽんとは、スープであったり麺であったり作り方まで違いがあるんですが、どちらも甲乙つけがたい美味しさです。
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- 二代目 お富さん
- ちゃんぽん 松浦鉄道西九州線 佐世保駅 みなと口 徒歩2分
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