いよいよ2016年が幕を開け、ますます盛り上がりを見せることになりそうなラーメンシーン。
特に、最近顕著な傾向として見受けられるのが、成人男性のみならず、女性や子供までもが「日常食」としてラーメンを食べるようになってきたこと。
見方を変えれば、それだけ「ラーメン」という存在が一般的に認知されてきたということであり、食べ手の側も、ただラーメンを食べに行くだけでは飽き足らず、提供されるラーメンの「質」をも求めるようになったということだ。
そのような状況の中、作り手も、手を変え品を変え、舌が肥えた食べ手にも十分な満足感を与えられるようなラーメンを作るべく、日々奮闘している。
具体的には例えば、他店では見掛けないような「その店ならではの食べ方」を提唱したり、他店では食べることができない「その店ならではの味」を提供することであり、そんな店側の奮闘の成果物が、食べ手を日夜、ラーメン店めぐりの旅へと誘うことに成功しているのだ。
今回は、私が有する10,000軒を超える店舗ストックの中から、「ここには今、絶対に訪問しておくべき」と太鼓判を押せる「最新鋭の5軒」を厳選して、紹介したい。
ここで御紹介する店舗は、100名が訪問して100名全員が「美味い」と実感することができる俊英ぞろい。
この記事を参考に、是非、店へと足を運んでいただき、生涯の伴侶を見つけていただければ、これ以上の喜びはない。
1.南阿佐ヶ谷に降臨した期待の超新星『麺処一笑』。独自のギミック共々、その実力に偽りなし!
2015年12月、南阿佐ヶ谷の地に、同年の締めを飾るに相応しい超大型新店がオープンした。
これが、こちらの『麺処一笑』だ。
ベースは、「らーめん」と呼ばれる、薬味のネギのみが搭載された素ラーメン。
それに、好みに応じ、無料の野菜トッピングを合わせてオーダーすれば、注文した野菜トッピングが、麺とは別の丼に盛り付けられて登場する仕様。
野菜トッピングは、画像の「トマベジ」など、数種類が存在し、食べ手は、思い思いのタイミングでラーメンに盛り付けて戴くことが可能だ。
と、このギミックだけでも斬新なのだが、それにも増して強調しておきたいのが、こちらの素ラーメンの水準の高さ。
国産豚の骨、背脂、皮などをじっくりと煮込んで創られたスープは、煮込む部位によって寸胴と火入れ時間を変えるこだわりよう。
ダシの風味を活かし切る本醸造の白醤油や、食欲をこの上なく増進させる芳香を放つ香味油の存在感も相まって、別皿の野菜を投入するタイミングに迷いが生じてしまうほどだ。
紹介しているお店はこちら!
店名:麺処一笑
住所:東京都杉並区阿佐谷南1-9-5
電話番号:03-3311-8803
営業時間:11:00~15:00(LO:14:30)、17:30~20:00(LO:19:30) スープ終了次第閉店
定休日:水曜日
2.『荻窪丸長』の味を創意工夫によりブラッシュアップ!『魂の中華そば』が提唱する新たなつけ麺の在り方
志茂の人気店『麺の蔵かめだ屋』の店主亀田氏が、2015年12月、満を持して上板橋の地に新店をオープン。
それが、こちらの『魂の中華そば』だ。
メニューのラインナップは、「中華そば」と「つけそば」の2種類のみ。やみくもに手を広げず、提供する品目を最小限に絞り込んだスタイルには、素直に好感が持てる。
基本メニューである「中華そば」のクオリティも上々だが、特に私がおススメしたいのが、「つけそば」。
ラーメン食べ歩きをこよなく愛する店主が敬愛する『荻窪丸長』の「つけそば」を、独自の工夫によりブラッシュアップしたつけダレは、ひと口啜った瞬間、焦がした一味のスパイシーな薫りが口内の隅々にまで拡散。
鶏・豚を巧みに活用し動物系の重厚なコクを演出する一方で、煮干し等の乾物によって厳かに和の雅を表現したスープは、近年稀にみる完成度を誇示。
割りスープを頼まずとも、そのまま飲み干せてしまう一級品だ。
『大栄食品』製の多加水ストレート麺の滑らかな喉越しも絶佳。瞬く間に丼が空になってしまうだろう。
紹介しているお店はこちら!
店名:魂の中華そば
住所:東京都板橋区上板橋1-25-10
電話番号:03-6906-6082
営業時間:11:00~16:00
定休日:月曜日、第2・第4日曜日
3.新小岩・小岩エリアを席巻する実力店『一燈』。その4号店が繰り出すつけ麺は、なんと伊勢海老ベース!
ラーメン通はもちろん、ラーメン好きであれば誰もが知っている『一燈』。
その名声は関東圏のみならず、日本全国に轟きわたり、総本山である『麺屋一燈』には、日夜、数十名規模の長蛇の列が発生している状況だ。
そんな『一燈』が、2015年9月にオープンさせた4号店が、こちらの『つけ麺一燈』。
『つけ麺』という屋号が示すとおり、グループ初の、つけ麺を主軸に据えたラインナップ。
つけ麺は3種類が用意され、看板メニューは、画像の「伊勢海老つけ麺」。
伊勢海老から立ち上る甲殻特有の華やかな香りが、卓上に供された刹那、あでやかに宙を舞う。
土台となる鶏ベースの中濃白湯スープは、寸分のうま味の過不足すらないパーフェクトなチューニング!
伊勢海老の存在感を損ねることなく、かえって、海老の持ち味を引き立てる鶏白湯スープは、ラーメンスープの作り方を知り尽くした『一燈』だからこそ、具現化できる理想形。
小麦の芳醇な香りが鼻腔をくすぐる極太ストレート麺のクオリティの高さも、脱帽ものだ。
紹介しているお店はこちら!
- つけ麺一燈
- ラーメン JR総武本線(東京-銚子) 新小岩駅 北口 徒歩3分
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4.津久井浜の実力店『麺屋庄太』が金沢八景の地で再始動。味リニューアル後、ますます冴えわたるキレ味!
神奈川県を代表する濃厚豚骨系の実力店、『麺屋庄太』。
その『麺屋庄太』が、2015年12月、金沢八景に新店舗を出店。
(津久井浜の店舗は当分の間休業するとのことで、実質的には移転扱い)
新店舗を構えるに当たり、ラーメンの味を大胆にリニューアルし、オープン後、わずか1ヶ月足らずで、既に押しも押されもしない大行列店にまで成長している。
これまでも、「神奈川で濃厚豚骨ラーメンを作れば、右に出る者はいない」と評されていた同店のラーメン。その1杯が、更なるパワーアップを遂げたのだ。
看板メニューはズバリ、「らぁ麺」。
ファーストアタックから、醤油ダレの濃密なうま味が舌蕾を歓喜へと導く。醤油ダレの後を追うように、羽窯で炊いた香り高くコク深い豚骨ダシが存在を主張し、レンゲを持つ手を止めさせない。
きめ細やかなうま味の粒子が舌先にしっとりと絡み付くような印象を持ち合わせたスープであり、「豚骨醤油」というジャンルの奥深さを、まざまざと実感。
『増田製麺』製の太麺は、啜りやすさを考慮し、やや短め。
あえて硬めに仕上げることによりフルボディのスープに負けない存在感を打ち出した「このスープにしてこの麺あり」の傑作だ。
紹介しているお店はこちら!
店名:麺屋庄太
住所:神奈川県横浜市金沢区六浦1-12-17ライオンズマンション金沢八景第二1F
電話番号:045-780-3617
営業時間:11:00~21:00
定休日:月曜日
HP:http://menyashota.nomaki.jp/
5.幾種もの煮干しラーメンを繰り出す、ニボラーの魔術師『中村屋総本山』が川越に見参!
現在、首都圏においては、空前絶後の煮干しラーメンブームの真っただ中。
そのような状況にかんがみ、精力的に煮干しラーメンを提供する店舗も、増加の一途をたどっている。
こちらの『中村屋総本山』も、そのような店舗のひとつだが、同店が、他店と一線を画しているのは、煮干しの分量を増減させたり、カエシの種類を変えることによって、数種類ものニボラーを提供していること。
昼の部に「煮干そば」「濃厚煮干そば」を、夜の部に「煮干そば(白醤油)」「超濃厚煮干そば」を提供するという、痒いところに手が届いた提供態勢には、敬意を表さざるを得ない。
いずれのメニューも、煮干しの特徴やうま味の粋が端的に表現された逸品だが、中でも、特におススメしたいのが、画像の「超濃厚煮干そば」。
「濃厚煮干そば」の更に2倍!という大量の煮干しを用いることで、色合いがセメント色と化したスープは、ひと啜りした瞬間、煮干しの大群が口の中で跳ね回るかのごとき錯覚を覚えるほどだ。
煮干しが本来持ち合わせているエグ味や塩味をいたずらに削ぐことなく、敢えてありのままに打ち出した骨太な構成は、数多のニボラー経験を積み重ねたマニアすら納得させるだけの牽引力を有する。
パツンと口の中で弾けるような感覚が心地良い、自家製ストレート麺の出来映えも上々。
現時点において、間違いなく首都圏屈指であると断言できる、ニボラーの超優良店だ。
紹介しているお店はこちら!
店名:中村屋総本山
住所:埼玉県川越市伊佐沼397-3
営業時間:11:30~15:00、18:30~20:30
定休日:月曜日
▽こちらの記事でも新店を紹介しています▽
2016年新店シリーズ第2弾!今食べておくべきラーメン5選
https://mecicolle.gnavi.co.jp/report/detail/8116/?from_article