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豚骨ラーメンは多様性が醍醐味!濃厚豚骨マニアが語る魅力とは
豚骨ラーメンは多様性が醍醐味!濃厚豚骨マニアが語る魅力とは

豚骨ラーメンは多様性が醍醐味!濃厚豚骨マニアが語る魅力とは

最終更新日 : 2016/02/26

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ラーメンやカレー、餃子に大衆酒場など、様々なグルメジャンルに特化して食べ歩きをされている著名ブロガーがキュレーターとなり、選りすぐりのグルメ情報を毎日お届けしている「メシコレ」。今回はキュレーターのみなさんの食べ歩き事情やグルメトレンドに迫るインタビュー企画として、福岡を中心とした豚骨ラーメン事情に詳しい「坂本二郎(オゴポコ)さん」(以下、オゴポコさん)にお話を伺いました。

これまで福岡を中心にディープな豚骨ラーメン屋さんを多数紹介していただいたオゴポコさんですが、食べ歩きのエリアは福岡・九州に留まらず、なんと全国47都道府県を制覇したという凄い方なのです。そこで今回は、オゴポコさんが食べ歩きを始めたきっかけや、福岡や全国の濃厚豚骨ラーメン事情について、お話を伺いました。

 

東京のラーメンブロガーとの出会いが全国を食べ歩くきっかけに!オゴポコさんの食べ歩き事情とは?

●まず、オゴポコさんがラーメンを食べ歩き始めたきっかけから教えてください。

食べ歩きを始めたのは2001年で、きっかけは東京でした。当時、東京に仕事で来ていたのですが、評論家の方々がお勧めする東京の定番ラーメンをまとめた本を見かけて何気なく手に取り、その中で紹介されていた新宿の「麺屋武蔵」に行ってみたんです。その頃の麺屋武蔵は魚介醤油が強く、今までに食べたことのないラーメンで、「こんなラーメンもあるんだ」と驚きまして。そこでもう1軒、神奈川の家系ラーメンの総本山と言われる「吉村家」も気になっていたので、その日のうちに連続で食べに行きました。吉村家もまた全然違うタイプのラーメンで、これは面白いなと感じたのがはじまりです。

 

●やはり、福岡の豚骨ラーメンとの違いに驚きが大きかったのですか?

いや、実はその頃は福岡であまりラーメンを意識して食べていなかったので、福岡と比較してということは全然考えませんでした。純粋に麺屋武蔵や吉村家に行ってラーメンって美味しいなと思い、ラーメン本で紹介されているようなお店を色々と回ってみたら面白いのではないか?と思ったんです。そこから食べ歩いたお店の記録もつけ始めました。

 

●そうだったのですね!それは意外です。では、その後ラーメンブロガーとしての活動を始められたのはいつ頃からですか?

しばらくは自分のメモ的に記録を取りながら福岡や東京のラーメンの食べ歩きを続けていました。ブログを本格的に書き始めたのは2005年からです。自分なら福岡と東京のラーメンのことが書けるし、他のブロガーさんと違う目線で紹介できるのではないかという思いでスタートしました。

 

●今では「濃厚民族」として濃厚なラーメンをメシコレやブログで紹介されていることが多いですが、ブログを始められた当時からそうだったのですか?

いや、どちらかと言うと、ブログを書き始めてから自分は人より濃厚な豚骨ラーメンが好きなんだということを意識し始めましたね。最初は誰もが濃厚なラーメンを好きに違いないと思い込んでいたのですが、ブログの反応や友達の感想などを聞いているうちに、誰もが好きなわけではなく、むしろ自分のほうが特別なんだと気づき始めまして。そのときに、「濃厚民族」というフレーズが頭に浮かび、それ以降名乗り始めました。

豚骨ラーメンは多様性が醍醐味!濃厚豚骨マニアが語る魅力とは

▼オゴポコさんの濃厚豚骨ラーメンについての記事を読む▼
本物のどトンコツはここにある!別格濃厚豚骨「魁龍博多本店」
https://mecicolle.gnavi.co.jp/report/detail/7137/

 

●それでは、普段から濃厚ラーメンを中心に食べ歩きをされているのですか?

はい、お店を探すときには、写真やユーザーレビューで明らかに濃厚に違いないと思えるお店を優先的に食べるようにしています。

それから、食べ歩き方という点では、ブログを始めた2~3年後にその後の食べ歩きに大きな影響を与えた出来事がありました。ある時東京のラーメンブロガーの方々から、福岡で一緒に食べ歩きをしませんか?とお誘いを受け、私がアテンドすることになりました。お会いすると、その方達は来た時点で様々なお店のことを調べ上げていて、実際にお店に連れて行くと、お店の方がどこで修行をされていたかや、ラーメンの作り方など、色々なことをヒアリングし始めたんです。そして、そのお店の方が福岡の有名店出身と分かると、すごく喜んでいて。つまり、ラーメンを食べるだけではなく、情報を集めることも楽しんでいたんです。このことは、私にとって大きなカルチャーショックでした。

最初はただ呆然とその光景を眺めていたのですが、よくよく話を聞いていくと、その方々は全国のラーメン事情について大変詳しくて、その豊富な情報量に圧倒されていきました。まさにこれは、自分にとっての黒船がやって来た!と。そして、私自身も黒船に乗ってみたいなと思ったんです。

この経験がきっかけとなり、福岡や東京に限らず、全国津々浦々を回ってラーメンを食べ歩くようになりました。ラーメンブロガーとしての第2ステージですね。それから足かけ7~8年で47都道府県全てを制覇しました。

 

「豚骨」と一言で片付けることなかれ!福岡の豚骨ラーメンに見る、驚くほどの多様性

●次に、福岡のラーメン事情について伺っていきたいと思います。47都道府県食べ歩いたオゴポコさんが感じる、福岡のラーメンの特徴はどういったところにありますか?

福岡は皆さんの想像通り、豚骨帝国なんですよ。しかも、「鎖国」しているなという印象があります。豚骨をずっと守り続けて、他から来たラーメンを受け入れないところがありますね。例えば、メディアの取り上げ方も、醤油ラーメンが進出してきたら、「非豚骨」という書き方で取り上げるんですよね。そういう意味では、福岡のラーメンはずっと変わらず、『豚骨か、豚骨じゃないか』で分類されています。

福岡はラーメンに限らず、食べ物に関しては保守的な地域ですね。それが独自の食文化を守り熟成させているという良い面はもちろんありますが、これまで様々な地域や種類のラーメンを食べ歩いてきた私としては、もっと色々なラーメンが福岡にあってもいいのではないか?とも思っています。

 

●豚骨と言えば福岡というイメージが全国的に定着している一方で、豚骨以外のラーメンがなかなか受け入れられない地域性があるわけですね。そのような中で、福岡の豚骨ラーメンが特に凄いなと感じる部分とはどういったところにありますか?

福岡の豚骨ラーメンの良い点は、豚骨の多様性がもの凄くある点ですね。一言で「豚骨」と言っても、様々な豚骨の種類があるんです。一般的に福岡の豚骨ラーメンは、「博多豚骨」と「久留米豚骨」が代表格のようになっていますが、実はそれだけではなくて、もっと細分化することができます。博多豚骨の中でも、長浜の豚骨と一風堂や一幸舎の豚骨とでは全く別物ですよね。久留米豚骨にしても、久留米市にある久留米豚骨と北九州市にある久留米豚骨とでは、やはり違います。鎖国をしてきた分、豚骨文化が熟成され、様々な種類の豚骨が生まれてきたのではないかと考えています。

 

●福岡の豚骨ラーメンはそれだけ奥が深いわけですね。最近、特に人気が高まってきているのはどのようなラーメンですか?

私の中では、「博多一幸舎」に注目をしていますね。福岡内外でお店が増えてきていますし、博多一幸舎で修行した方がはじめた「博多一双」も人気を集めています。博多一幸舎は、博多豚骨のイメージを残しながら今風に濃厚にし、スープを泡立てていることも特徴的な、新しいタイプの博多ラーメンですね。

豚骨ラーメンは多様性が醍醐味!濃厚豚骨マニアが語る魅力とは

▼博多一幸舎に関するオゴポコさんの記事を読む▼
JR博多駅・博多口から徒歩10分以内!お薦めラーメン店3軒
https://mecicolle.gnavi.co.jp/report/detail/7628/

 

●福岡県内で、この地域のラーメンは面白いと思うところはありますか?

やはり北九州市ですね。北九州市はとにかく豚骨の多様性が凄いです。私は豚骨のガラパゴス諸島と呼んでいますが、北九州市の中だけでも様々な種類の豚骨があり、県外の方はもちろん、福岡市の人が食べに行っても、今まで食べたことのないような豚骨ラーメンが味わえると思います。北九州市のラーメン屋さんの特徴として、昔ながらの個人店で、頑固親父が厨房の中で睨みをきかせながら作っているような雰囲気のお店が非常に多いです。その分、豚骨のバリエーションが豊富になってきたのではないかと思います。

北九州市の豚骨ラーメンの代表格としては、「ぎょらん亭」「東洋軒」「珍竜軒」が挙げられます。「ぎょらん亭」は兎に角濃厚で重い、ここでしか食べられない豚骨ですね。「東洋軒」は久留米ラーメンを発祥としているのですが、一般的な久留米ラーメンと比べてもクリアで丁寧な豚骨スープが特徴で、ワンタンメンが特にお勧めです。「珍竜軒」は牛乳入りとも言われるクリーミーな豚骨スープが特徴です。どのお店も30~40年ぐらい続いていて、そのお店で修行をした方が新たにお店を開くケースも多いようです。

これらのラーメン店についてはこちらの記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ読んでみてください。

豚骨ラーメンは多様性が醍醐味!濃厚豚骨マニアが語る魅力とは

▼北九州市のラーメン店に関するオゴポコさんの記事を読む▼
博多とは一味違う!北九州市の絶対美味い豚骨ラーメン定番5軒
https://mecicolle.gnavi.co.jp/report/detail/7926/

 

ちなみに、北九州市には博多豚骨のお店は少なく、博多豚骨と違って替え玉や固麺を選べないお店が多いです。この辺りにもガラパゴス的なラーメン文化の違いがあって、あの一風堂が未だに北九州市に店舗を出していないのは、こういった文化の違いが影響しているのかもしれませんね。

 

東日本の豚骨王国は群馬!東京は全国の豚骨ラーメンが集まる坩堝

●同じ福岡県内でもそこまで文化が違うとは面白いですね。次に、全国の豚骨ラーメン事情についてお伺いします。これまで全国の豚骨を食べ歩いてこられた中で、福岡以外で豚骨ラーメンが特徴的だと感じた地域はどういったところでしょうか?

九州以外で豚骨が特徴的な地域は、群馬ですね。群馬の豚骨はどこに行っても濃厚で、濃度は九州よりも高いと思います。群馬では濃い豚骨が当たり前になっているのではないでしょうか。濃厚民族としては楽園のような場所ですね(笑

豚骨ラーメンは多様性が醍醐味!濃厚豚骨マニアが語る魅力とは

▼群馬の豚骨ラーメンを紹介したオゴポコさんの記事を読む▼
東日本の豚骨ラーメン王国!群馬県で味わえる濃厚豚骨10軒
https://mecicolle.gnavi.co.jp/report/detail/7306/

 

東京の場合は、どうしても臭いの問題がありまして…、濃厚豚骨に付き物のあの独特の臭いは都心部では受け入れられないところもあるので、濃厚を求めるならどうしても郊外になってしまいますね。そのため、「田中商店」のような濃厚豚骨のお店はやや郊外に店を構えているのではないかと。

一方、東京の豚骨ラーメンで特徴時なところは、全国の豚骨ラーメン店が集まっている点ですね。もちろん博多豚骨もあるし、九州全域の豚骨があり、広島や徳島の豚骨など、豚骨と名の付く全国のラーメンが東京一箇所で食べられるので、食べ歩きをする上ではとても面白いと思います。

 

●確かに、全国の豚骨ラーメンが味わえるのは東京だけですよね。ちなみに、東京で今特にお勧めのお店はありますか?

今、旬なのは「玄瑛」ですね。玄瑛は福岡でオープンした当時から追いかけているので、思い入れのあるお店のひとつなんです。素材にこだわって作りこまれていて、多彩な香り油が特徴的な玄瑛の豚骨ラーメンは、東京ウケする味ではないかと思います。

豚骨ラーメンは多様性が醍醐味!濃厚豚骨マニアが語る魅力とは

▼玄瑛に関するオゴポコさんの記事を読む▼
技巧派VS剛腕。豚骨日本代表を争う2大エースが東京で激突!
https://mecicolle.gnavi.co.jp/report/detail/7831/

 

誰もやったことのない方法でラーメン情報を今後も発信していきたい

●今後ブロガーとして挑戦していきたいことなどはありますか?

ブログでは、まだ誰もやったことがないことはやっていきたいなと思っています。例えば、47都道府県食べ歩いたからこそ知っているノウハウを発信していったり、今後食べ歩きをする人の参考になるような情報を伝えていけたら面白いのではないかと考えています。徳島ならレンタサイクルを借りて食べ歩けとか、地元のお祭りがあるときは臨時休業をしていることが多いので気をつけろ、とか。ブログはそういう変わったことをしていきたいですね。

 

●それは斬新で面白いですね!では最後に、メシコレの読者の皆様にメッセージをお願いいたします。

メシコレでは、他のラーメンキュレーターの方とは異なる観点のまとめ方で情報を発信していきたいですね。例えば、上記のような北九州市のラーメンとか、福岡の○○区のラーメンまとめとか、各地域の美味しいラーメンについて書きながら、福岡の豚骨の多様性を今後も発信していきたいなと思っています。

 

いかがでしたでしょうか?オゴポコさんの濃厚豚骨ラーメントークを読んで、今すぐ福岡に食べに行きたいと思った方も多いはず!インタビューを読んでオゴポコさんのことをもっと知りたいと思った方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。

▼オゴポコさんの他のメシコレ記事を読む▼
https://mecicolle.gnavi.co.jp/curator/ogopoco/

▼オゴポコさんの食べ歩き情報はこちら▼
http://ramen-standard.seesaa.net/

 

<撮影協力:博多一幸舎 池袋東口店>

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※本記事は、2016/02/26に公開されています。メシコレで配信している記事は、グルメブロガーの実体験に基づいたコンテンツです。尚、記事の内容は情報の正確性を保証するものではございませんので、最新の情報は直接店舗にご確認ください。

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