常連が集うオトナの街、「渋2」がアツい
トレンドが集結した、いま注目のエリア「奥渋谷」と、渋谷駅を挟んで対角線に存在するのが「渋2」。
表参道・六本木と渋谷の中間点にあたる「渋2」は、若者の街渋谷とは一線を画すオトナが集う街。飲食店にもエリアの顔となっている名店が多く、そこに常連さん達が通っています。
そんな名店の中から、自家製パンが特徴的な料理を120%引き立てる「トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ」をご紹介します。
賑わいが気分を高揚させる、名店の貫禄
「いらっしゃいませ」より「お帰りなさい」が似合う、というのが入店した瞬間の印象でした。
そこそこの客単価、それに見合う年齢の客層、にもかかわらず、店内は活気に溢れ、どのテーブルも笑顔で賑やかに食事をしていました。
石川勉シェフが体得したシチリア風の料理だけではなく、シチリアで体験した家族的な雰囲気を提供してくれるのが「ドンチッチョ」。
訪れた人が「美味しいお店ですよ」ではなく、「いいお店ですよ」と紹介してくれたのも納得の居心地の良さがありました。
家族愛、郷土愛、シチリアと東北に抱く想い
ここで必食なのは、シェフにとっては地元食材でもある白金豚と短角牛。
地元の食材を、家族に食べさせるシチリアの風土をご自身に落とし込んだ石川シェフならではのおもてなしです。
品数としては、2名なら冷たい前菜→温かい前菜→パスタorリゾット→メインの4品、お腹の満たされ方によっては1品プラスの5品をシェアと勧められたので、メインを白金豚のグリルにして4品をオーダーし、食べ終わったところでデザートをお願いしました。
冷前菜のサラダのタコの弾力、温前菜のトリッパのトマトソースの爽やかさ、心を掴まれるポイントはいくつもありましたが、中でも一番記憶に残ったのはやはりメインの白金豚でした。
肉汁を吸わせて、ソースを拭って…パンは料理と共にあるのもシチリア流
旨みたっぷりの肉汁溢れる焼き上がり、さらに残ったものは全て自家製のフォカッチャに吸わせていただきました。
パンは2種類、外皮ががっちり固めの田舎パンとオリーブオイルが香るフォカッチャです。
ソースの濃度に合わせて食べ分けるのがおすすめ。肉汁はフォカッチャでしたが、濃度の高いトマトソースは固めの田舎パンに乗せて食べました。
日本人である私達には、イタリアはパスタの国といったイメージがありますが、実はイタリアではパスタよりパンが多く食されています。
イタリア人にとって、パンは食卓になくてはならないもの。だからこそ、食事に良く合うもの。
イタリアそのもの、シチリアそのものの、家族的雰囲気の一環として、パンと料理のペアリングも楽しんでみて下さい。