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富良野に来たらパンを買って小麦畑に!産地だからこそできる貴重な体験を
富良野に来たらパンを買って小麦畑に!産地だからこそできる貴重な体験を

富良野に来たらパンを買って小麦畑に!産地だからこそできる貴重な体験を

最終更新日 : 2017/03/10

この記事で紹介するのは…パンに詳しいやもとかおるさんがおすすめする、北海道の富良野市にある「Cafe&Bread IPPO」についてご紹介した記事です。

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周りは一面の小麦畑! 古民家カフェならではの環境

富良野に来たらパンを買って小麦畑に!産地だからこそできる貴重な体験を

今回のテーマもハルユタカですが、舞台は富良野です。
富良野といえば、北海道を代表する観光地の1つ。
実は世界的にも景観の美しさを誇る地域ですが、この景観を形成している作物の1つが「小麦」です。
小麦畑のパッチワークは、富良野から美瑛にかけて見られ、十勝連峰との組み合わせは完璧といえるほどの美しさで有名です。
ラベンダーも良いのですが、北海道開拓と人の営みの歴史を感じるのは、小麦を始めとした農作物が織りなすパッチワークにこそ伺い知ることが出来ると思っています。
小麦の見頃は7月中で、ラベンダーの見頃とも重なっているので、富良野へ来た際には小麦の美しさも感じて下さい。
(ただし、畑の中に入るのは違反ですのでご注意を。車道から見て下さいねっ)

そして、小麦を見ながら小麦(パン)を食べてみて下さい。畑とつながっているパンです。
富良野はパン屋さん、カフェも多いので「富良野産小麦使用」という文字を見かけたら、是非ともご賞味を♪

つまり!


小麦畑を見ながら、この土地で穫れた小麦で作ったパンが食べられる!

 

これは小麦産地だからこそできる貴重な体験です。
そもそも、この貴重な体験が出来るのも、生産者と加工者(パン屋さん、カフェ)が同じ地域にいるから出来るコトです。
しかし、地元の野菜などを使った産直レストランは数多くあれど、地元産の小麦を使っているパン屋さんは意外と少ないのが現状です。

せっかく小麦の産地に来たのなら、食べなきゃ損です。
なかなか出来ない体験ですから。

 
さて、今回の記事の流れは
まず、地元の小麦を使ってパンを作っているお店の紹介から入り、生産者の紹介へと話を進めます。
お店の紹介→生産者の紹介&小麦畑へ

 

これには、意味があって
まず、パンを買います。
次に
パンをもって小麦畑に行く。
そして
小麦畑を見ながらパンを食べる。

 

お店→小麦畑へ移動
という具合に、話す内容と実際の行動を一致させています。

 

なので、もし富良野へ来た際には、まずパンを買って、それから小麦畑を見に行きましょう♪
(再三ですが、畑の中に入るのは違反ですのでご注意を。車道から見て下さいねっ)

■Cafe&Bread IPPO
国道38号線(狩勝国道)沿いの山林の中に、風光明媚な古民家カフェがあります。(※Google mapストリートビューの映像には写っていませんが、ちゃんとあります。)

「 地域おこし協力隊の面接で ” 富良野でカフェをやりたい ” という熱意が伝わったのが良かった」と気さくな雰囲気を漂わせて話す山本さん。
当時始まったばかりの「地域おこし協力隊」の一員として富良野に迎えられたことから移住し、協力隊の仕事を続けながら、この古民家を1年かけてパートナーと大工さんの3人でリノベーションしたそうです。
その思いの強さと実行力によって、これほどまでに古民家を素敵に改装したところは、本当に尊敬に値するほどです。
店内の壁や床、棚などは、元々古民家の一部であった木材を再利用したものです。

富良野に来たらパンを買って小麦畑に!産地だからこそできる貴重な体験を

■ハルユタカとの出会い
山本さんは、関西でパン教室の師範にもなっていたのでパン作りが得意でした。
富良野へ移住してからも、中富良野の自家製天然酵母の美味しいパン屋さんのウワサを聞き、研修させてもらった経緯を持っています。
研修先で初めてハルユタカと出会うのですが、これまで使っていた外麦との違いに戸惑ったこともあったそうです。

外麦とは遺伝的に製パン能力や生地物性が異なるハルユタカを、しかも初めて触った国産小麦”ハルユタカ”を使いこなせるようになるまでには結構苦労したと思います。加えて天然酵母を使うとなるとさらに難易度は上がります。

こうした努力を周囲はちゃんと見ているものです。
地域おこし協力隊を続けながらパンの研修をし、レシピの改善と試行錯誤を重ねてハルユタカの使い方を習得することが出来たころには、ドライブインでパンの販売をさせてもらったり、現在の物件を紹介してもらったりと地域の理解と協力が得られるまでになっていました。
本人の努力に対して周囲が認めるようになったのではないでしょうか。
そして当初から抱いていた「富良野でカフェをやりたい」という目標が現実化し始めたのです。

もし、自分も富良野でカフェをしたい という方は、IPPOさんのような存在はとても良い見本になると思います。


■ハルユタカを作る人と使う人
山本さんは、カフェで得意なパンを出すことを決めており、地域おこし協力隊を勤めた経緯から『 使うなら地元の小麦を 』と考えたのもとても自然な流れでした。
加えて、ハルユタカを生産する人と、これを使いたい人が同地域にいるということも幸運なことでした。

生産者の春名さんにとっては、自分の小麦を使ってくれる人が見え、直接評価を聞くことが出来るからラッキーです。
評価は生産者のモチベーションにもなるし、生産方法の向上、生産の継続に繋がるからです。

山本さんにとっては、使う小麦がどのように育ったのかを生産者から直接聞くことが出来るだけでなく、生産年度の品質の特徴についても知ることが出来るので、レシピの調整に役立てることが出来ます。
(実際には、年度毎の品質差を意識することなく、安定して使えているとのことです。)
このように、地元産ハルユタカを地元のカフェ(パン屋さん)で使うということは、色んな意味でお互いに貢献し合えるのです。

富良野に来たらパンを買って小麦畑に!産地だからこそできる貴重な体験を

■大満足な旨さと良心的すぎる価格! 自家製天然酵母+ハルユタカ100%のあんぱん
「風味と食べ応え感(もっちり感)に特徴があります。 外国産も国産も焼き上がり直後はどちらも美味しいです。ただ、冷めてからも美味しく感じるのは国産のハルユタカのほう 」と山本さんはハルユタカの美味しさについて教えて下さいました。

たしかに旨い♪

これにはちゃんとした理由があります。
まず、生地のもっちり感。
道産小麦の特質である「モチモチ感」は遺伝的性質です。
量販店のパンは、このモチモチ感を適度に調整するため多品種でブレンドします。
しかし、IPPOさんのパンは100%ハルユタカ。
品種のモチ性とタンパク質の高さが一層強いモチ感を生み出しています。

次に生地の香りと旨味。
自家製天然酵母を使うので複雑な風味を作り出します。
加えて、発酵時間を長く必要とする自家製天然酵母は、この長時間の間に粉と水の水和が進みます。
この水和(デンプンと水の結合)が進むことで、生地の甘みが増したり、保水力が上がり老化の遅い生地になるというメリットがあります。

それとこれは個人的な見解なのですが、ハルユタカの吸水速度は、製粉時の損傷デンプンの発生量にもよるかと思いますが、他の品種と比べて速いような気がします。
つまり、水和が進み易いため、甘みのあるシットリ、むっちりとした生地に仕上がるのではないかと推察しています。

ここにハルユタカの美味しさが隠されているのでは、ないかと。

お店に行かれたら、まず、山本さんのパンを手に取ってみて下さい。
その重量感と密度をご自身の手に感じてみて下さい。
生地のむっちり感もありますが、具も多めで食べ応えがありますし
自家製天然酵母由来の香りも楽しめます。

この重量級に美味しいパンが「値札が付いていないものは全て200円です。」(※250円のパンもあります)

あらためて・・・
ハルユタカ使用 + 自家製天然酵母 + 具沢山 でこの価格!良心的すぎます。

ちなみに今回の購入内容は

あんぱん¥200×2個
ドライフルーツとくるみ¥200×1個
いちじくとくるみ¥200×2個
よもぎの桜あん¥250×1個
ピザパン¥250×1個
ウインナーパン¥250×1個

合計 8個 ¥1,750 で パンの総重量はおよそ1,200gなり!

 

紹介しているお店はこちら!
店名:Cafe&Bread IPPO
住所:北海道富良野市字東山4176-2
電話番号:090-5017-9830
営業時間:11:00~日没(パンは完売次第終了)
定休日:月曜・火曜(祝日の際は営業)
公式ページ:http://furano-ippo.info/

富良野のハルユタカ生産者

富良野でハルユタカを生産している春名さん(興農社)は、ハルユタカ生産者の中でも特異な存在です。
どこが特異かというと
ハルユタカの生産継続のために、独自に6次化に取り組んでいる点です。
その商品展開力がまたすごくて、ハルユタカを使ったアイテム数が多いのです。もちろん小麦粉もあります。
そして、これらのアイテムの殆どがコラボレーション商品で、ハルユタカを通して得た人脈の広さを象徴しています。
フラノマルシェ(オガール)にこれらの「富良野産ハルユタカ」を使った商品が色々あり、品種の特徴を活かした製品なのでお土産にもぴったりです。
後ほど、何故この6次化がハルユタカにとって大事なのかについても述べます。

富良野に来たらパンを買って小麦畑に!産地だからこそできる貴重な体験を

■ハルユタカからの贈り物 ~人との出会い~
「 畑で作業していると誰とも会わない日もあります(笑)。  ハルユタカを作り、6次化するようになってからは、普通に農家をしているだけでは出会えなかった人達とのご縁に恵まれました。これはお金には換算できない価値があると思っています。」
広大で起伏に富んだ上富良野で農業を営む 春名さん(興農社)は、ハルユタカ(強力品種)の生産を通して得たものの多さとその価値についてお話して下さいました。

 6次化においては、生産と加工を行う必要がありますので、この過程で加工業者(製粉、製麺、製菓、資材、デザインetc)と連携していかなければなりません。
また、営業・販売も行わなければなりませんから、販売店やパン屋さん、カフェのオーナーさんとの出会いも増え、農作物を「原料」として出荷していた頃よりもずっと人間関係も広がったそうです。

そして春名さんは「 農家は原料生産のプロだけど、加工はその道のプロと組んで商品化したほうが良いものができます。 」と述べ、人脈を活かしたコラボ商品の開発にも意欲的に取り組んでいます。
「 畑にいるだけでは出会えなかった人達 」との交流は「 ハルユタカだから出来た 」と感慨深げに話された表情が印象的でした。
ちなみに、コラボ商品の数々は興農社さんのサイトでも閲覧出来ますし、フラノマルシェで実際に購入することも出来ますので、お立ち寄りの際は、そのアイテム数の多さを見て下さい。
人脈の数 = コラボレーションの数であり、アイテム数の多さに反映しています。

※パスタは富良野や旭川のレストランでも使われています。

■自分の小麦は美味しいのか?
ハルユタカ生産を決心する以前の春名さんは、一般的な中力品種を生産していました。
しかし、これら従来の中力品種では「自分の小麦って美味しいんだろうか?」「消費者に喜ばれているのだろうか?」という疑問に対する答えを見い出せずにいました。
小麦は流通のしくみ上、農協に出荷したらその先のことは分かりません。
誰が使って、誰が食べているのか また、小麦の評価を知る方法も無いのが現状です。
自分の疑問に対する答えを見出すには、従来の「しくみ」から一度離れて行動するしかありませんでした。

そこで、春名さんは当時評価が高かった「ハルユタカ」(強力品種)で、自分達で消費者まで届けてみよう と考えたのです。
自分の小麦粉をパン屋さんに卸し、消費者に食べてもらえたなら、自分の小麦の評価がわかります。
パスタやラーメンなどに商品化して販売出来れば、より多くの消費者から評価を得ることが出来ます。

生産者なら誰しもが抱くであろう疑問「自分の作物は喜ばれているのだろうか・・・」
この純粋な疑問に対する答え探しのパートナーが「ハルユタカ」だったのです。

富良野に来たらパンを買って小麦畑に!産地だからこそできる貴重な体験を

■ハルユタカの6次化 = 生産継続のサイクルを構築
現在、興農社の小麦粉はパン屋さんやカフェなどの飲食店での使用も増えてきています。同時に人脈も増やし続けています。
生産した農作物を消費者まで届けて収益を得ることは、農家の経営上大事なことです。
6次化は様々なノウハウの習得と蓄積にもなりますが、一番大事なポイントは、『 農家が農業を続けられるしくみを作る 』ことにあります。
ハルユタカを生産し続けていくのに、この6次化はとても有効な手段です。
なぜなら、生産リスクが高く、安定供給も厳しいハルユタカが市場から支持され続けられるかというとなかなか難しく
ともすれば、パン屋さんは離れ、消費者から忘れ去られていく危険性をはらんでいるからです。
これを阻止するためにも
継続して「求めている人」に供給し、消費者に認知され続けるための手段を持たなくてはなりません。
それが6次化です。
富良野という一地域での取り組みではありますが
「ハルユタカの6次化」が順調に機能することで、実需者への供給と消費市場へのアピールが出来る上、生産そのものが継続していけるしくみを独自に構築できる というわけです。
同時に「ハルユタカの評価」もダイレクトに確認できるため、商品開発に活かしたり、品質向上につなげたり、様々なノウハウの蓄積になりますし、仕事に対するモチベーションにもつながってきます。
つまり、春名さんは「従来のしくみ」から抜け出て「ハルユタカの6次化」を通して、求めてくれている人に供給し続けるための独自のシステム構築を計っているのです。
そして、これまで得られなかったダイレクトな評価や人脈=「抱いていた疑問に対する答え」を手にしたのです。

富良野に来たらパンを買って小麦畑に!産地だからこそできる貴重な体験を

■あとがき
生産者がいて、加工してくれるお店がいて、私たちは小麦を食べることが出来ます。
これには、賛同し協力してくれる地元の加工業者(製粉、パン屋さん、カフェなど)の存在は必須です。
原料はあるけど加工してくれる人がいなければ、私たち消費者は食べることは出来ません。
彼らの協力があって、地産地消が実現できるのです。
野菜などと同じく小麦も地産地消できる ということです。

グローバル化の流れによって、小麦は海外から輸入することが常識になってしまった現代において
実は国内の「小麦の地産地消」も昔は当り前で、各地に小さな製粉所があるばかりか、各家庭にも石臼があり、地域特有の小麦食文化も発展し、小麦の自給率もほぼ100%だったという事実を知っている人は、殆どいません。

いつの間にか、小麦は地産地消出来ない作物になっていたのです。

しかし、こうして元ある姿を取り戻して行く取り組みによって、地域が活性化したり、人のつながりが広がって行くことはとても喜ばしいことだと思いますし、その恩恵を私たち消費者が享受出来ることもまたありがたいことだと思います。

小麦には、全世界の人を幸せにした品種もあります。
ハルユタカは、ニッチでマイナーな小麦で病気にも弱くて、過去には多くの生産者が苦境にさらされたという事実もありました。
幸せよりも、苦しみの方が多かったかもしれません。そんな品種です。
しかし、その苦しみを経験しながらも作り続けている人や使い続けている人がいます。
そこで、思ったのですが

こういう小さな存在でも出来るコトがあって、そこに喜びや幸せが生まれるのなら、それで充分存在価値があるのでは・・・と。

つまり
小麦にも2通りあって より大勢を幸せにする品種 と 少数だけ幸せにする品種の 2通り がある。ということ。

そう考えた時に、ふと私の頭の中に次のマザーテレサの言葉が浮かびました。

「 大きなことをする必要はありません。小さなことに、大きな愛を込めればよいのです。」

あぁ、そうか ハルユタカが存在する意味って、このへんにあるのかもしれませんね。

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※本記事は、2017/03/05に公開されています。メシコレで配信している記事は、グルメブロガーの実体験に基づいたコンテンツです。尚、記事の内容は情報の正確性を保証するものではございませんので、最新の情報は直接店舗にご確認ください。

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